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DQ4TS 導く光の物語(旧題:混沌に導かれし者たち) 五章
五章 導く光の物語
5-39水の都で
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な?ずっと、こんなんなのか?誰か、成功したヤツはいんのか?」

 衛兵が、生真面目に答える。

「お触れが出されてから既に久しく、挑戦者は増える一方だが。陛下を大笑いさせることに成功したものは、いない。むしろ、陛下のご機嫌は、悪くなられる一方だ。お前たちも、どうか頑張ってくれ」

 切実な衛兵の言い様を受けて、マーニャが仲間たちに向き直り、顔を(しか)める。

「……やっぱ、無理じゃねえか」
「まあまあ。折角きたのだから、やってみましょうよ。ものは、試しよ。」
「まあ、姐御がそう言うんなら。無理なりに、なんかやって帰るか」


 一行は、雑談しながら順番を待ち、いよいよスタンシアラ国王の御前に通される。

「よくぞ、来た!さあ、早く、笑わせてくれ!」

 渋面を隠しもせず、言い放つ国王。

「それじゃあ、あたしから。あたしの夫は、お金を預かったり貸し出したりする、銀行という仕事も、しているのですけれど。どうも、スタンシアラでは、そのお仕事は、うまくはいかないようですわね?」

 トルネコの前振りに、国王がちらりと視線をやり、先を促す。

「スタンシアラのみなさんは、タンス貯金が、一般的だとか。スタンシアラだけに、タンス貯金。スタンシアラ、スタンスアラ、タンスシアラ。……あらやだ、ちょっと苦しかったかしら。」

 悪びれもせず、堂々と言い放つトルネコに、国王の渋面がますます深まる。

「ちょっとどころじゃねえよ、姐御。冷え切ったぜ、場が」
「あらやだ、ごめんなさいねえ。」

 国王の様子にも頓着せず、あっけらかんと謝るトルネコ。

「どうせ笑う気もねえだろうし、とりあえずなんか盛り上げりゃいいか。ミネア、曲頼む」
「ええ?笑わないだろ、いくらなんでも」
「いいんだよ。どうせ笑わねえんだから、盛り上がればよ」
「……わかったよ」

 ミネアが諦めたように笛を取り出して構え、マーニャが踊り出す。

 全く笑いを取ろうという気も無い、美しくも激しい踊りに、国王も周囲の衛兵も大臣も、当初は呆気に取られながら、次第に見入っていく。

 踊りが終わり、国王が思わずといった様子で、拍手をする。

「素晴らしい!なんと、素晴らしい踊りであることか!……だが、笑えはせぬ!」
「だよな」

 厳しい表情で賞賛しながら否定する国王に、マーニャがあっさり引き下がる。

「掴みとしては、上々か。今日のところは失敗しても、なんか印象は残んだろ」
「ふむ。策士じゃの、マーニャ殿。では次は、わしらかの。ゆくぞ、クリフト」
「はい」
「あ?ばあさんとクリフトで、なにする気だよ」
「サントハイム王家の家臣団に代々伝わる、宴会芸じゃ。新人はこれを覚えることで、正式な仲間と見做されるの」
「な
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