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DQ4TS 導く光の物語(旧題:混沌に導かれし者たち) 五章
五章 導く光の物語
5-39水の都で
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のも、あるらしいこと、くらいですかしら。」
「ふむ。断片的ではありますが、よくご存知ですな。では、体系的にご説明しましょう」

 学者が咳払いし、姿勢を正すのに合わせて、一行も背筋を伸ばして聞く態勢に入る。

「あくまでも、この城に伝わる言い伝えとしての話ですが。天空の武器防具とは、ただ強いだけのものでは無い。それら全て、つまり天空の兜、鎧、盾、剣を集め、身に付けて資格を得たものは、天空に昇れるというのです。この天空、というのは、恐らく天空の城、竜の神が住まうといわれる場所だと考えられています」

 学者は一旦言葉を切り、再び咳払いして話を続ける。

「そして、天空の武器防具は、誰にでも身に付けられるものでは無い。現に、この城に伝わる天空の兜は、記録にある限り、誰にも装備できたことがありません。非常に神聖な、強い力を感じられるのにです」

 学者は姿勢を崩し、一行を見回しながら、言う。

「以上が、現在までに、わかっているところですな。参考になったでしょうか」
「ええ!とっても、よくわかりましたわ!」
「それは、良かった。ご用は、これでお済みですな?では、私は研究に戻りますゆえ」



 学者と別れ、再びゴンドラに乗り込んで、ゆっくりと進めながら話し合う。

「天空の装備とは、あのようなものだったのですね」
「父上の立て札にあったことを考えれば、それらを集めて、竜の神に会うことを目指すべきなのだろうな」
「ふむ。ならば、ここはお触れに挑戦して、天空の兜を譲り受けられないか、交渉してみるべきでしょうな」
「大笑いさせるだけで褒美なんて、話としては簡単そうだがな。笑わせるってのも、狙ってやるのはそう簡単じゃねえだろ」
「そうだね。難しくても、なんとかしないといけないんだろうけど。正直、自信はないな」
「国王陛下を、笑わせる、か。どうすべきか、皆目見当も付かない」
「わたしも。笑わせるなんて、考えたことがないから。よく、わからない」
「ライアンと嬢ちゃんには、誰も期待して……待てよ。意外性ってのもあるな」
「とにかく、行ってみましょうよ。行ってみないことには、傾向もわからないわ。一回しか挑戦できないという話でも、なさそうなんだし。」


 トルネコが話を締めくくり、ライアンがゴンドラを進めて、一行はスタンシアラ国王の待つ玉座の間を目指す。



 玉座の間では、お触れに挑戦する人々が、長い列を作っていた。

「……並ぶのかよ。面倒くせえ」
「また始まった」
「どうせ上手くいかねえし、帰ろうぜ」
「やる前に決めつけるなよ」
「決まったようなもんだろ。試しに聞いてみるか」

 マーニャが、列を整理していた衛兵に声をかける。

「おい、兄ちゃん。お触れってのが出てから、長いんだよ
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