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ドラクエX主人公に転生したのでモテモテ☆イケメンライフを満喫できるかと思ったら女でした。中の人?女ですが、なにか?
二部:絶世傾世イケメン美女青年期
六十三話:モンスター使いに開眼
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いうのは、初耳じゃのう」
「あ、そうですか」

 やっぱり無いんですね、普通は。
 実はあれが標準だなんて夢を、ちょっとだけ。
 ほんのちょっとだけ、見てたんですけど。

「何故じゃろうかのう……。ドーラちゃんが、それほどに強い能力を持つのか。或いは、戦わずして力を見せ付けるなどということが、もしや可能なのか。愛すら無いとなれば、何か、愛に代わるもの。例えば強き意志などが、魔を祓うのじゃろうか……」
「いや、いいです。大丈夫です、次に行きましょう」

 女王様気質なんて結論にでもなったら、泣く。
 言っても無いのにドーラ様とか、呼ぶな。
 私は、呼ばせて無い。

「む、そうか。では次、これで最後じゃ!モンスター使いの心得、その三!真のモンスター使いたるもの、モンスターと心を通わせてこそじゃ!心の目を開き、モンスターと心を通わせるのじゃ!」
「わかりました、師匠!具体的に、どうすればいいですか!」
「うむ!今から、ドーラちゃんの心の目を開くゆえ!わしの目を、見るのじゃ!」
「はい!」

 言われた通り、師匠の目をじっと見詰めて集中します。

 師匠も真剣な瞳で見詰め返し、その奥に宿る何かが、見えかけて

「おいこら。じじい」

 ヘンリーの言葉に集中が途切れて、そちらを見ると、何故かヘンリーが私の前に体を割り込ませており。

 イナッツさんが、師匠の手を握っておりました。

「何しようとした、今」
「おじいちゃん、ダメよ。それは、シャレにならないわよ。犯罪よ」

 え、何?
 何されそうになったの、私?

「む、いや、すまぬ。なんというか、つい」
「つい、じゃねえ。帰るぞ、ドーラ」
「え。でも、まだ」

 たぶん、まだ終わってない。

「いいから」

 ヘンリーに腕を引かれ、立ち上がらせられ。

「待って、待って!ごめんね、ドーラちゃん、ヘンリーくん!ちゃんと、押さえておくから!帰らないで!」
「いや、けど」
「ダメなのよ、ちゃんと済ませないと。ちゃんとした、モンスター使いになれないわ。大丈夫、妙なことしたら、本気で締め上げるから!」

 今度は、イナッツさんが怖いです。
 笑顔が、怖いです。

 師匠が怯え、ヘンリーが渋々座り直します。

 私も座り直し、イナッツさんによって罪人のように後ろ手に拘束されている師匠の目を、改めて見詰めます。

 色々と気になることはひとまず頭の隅に置いといて、集中すると。
 師匠の瞳の奥に、光のようなものが、見え。
 いや、()えたのかはわからないけど、確かに光の存在を感じて、次の瞬間には私の心にも、何かが閃いたような。
 新たな光が、宿ったような。
 そんな感覚を、覚えました。

「……師匠」

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