第四十八話 世界を変えるもの
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取り付けられているのかを理解しているからだ。機動を読み、武装の攻撃タイミングを理解し、どのような動作をするのか予めシミュレートする。それによってどのような動作をするのか完全に読み切るのだ。
『しかし、何で邪魔するのかな?君達が介入しなければ、あっさりとロゴスの二人を捕らえることも出来ただろうに』
「戦いによって勝ち取られた世界は、また新しい戦いを呼んでしまうんだ。デュランダル議長の平和への道のりは、次の争いを呼ぶことになってしまう!」
サーベルを互いのシールドで受け止め、接触回線でクラウがつぶやいた言葉が届き、キラは反論する。
『ならどういう平和を目指すなら望ましくて、それを実際にどうやって執り行うっていうんだい?まさか独裁による恐怖政治をしようってわけでもないんだろう?』
「それは……ッ!」
『ハッキリとした答えを出せない時点で君たちの主張は意味をなさないよ。有史以来、人類が争いを止めた時代なんてものはないんだ。それなら、今を守るために平和を目指そうとすることがいけないことだとでもいう気なのかい?』
ぶつかっては言葉を紡ぎ、互いの主張を押し通す。リゲルグの放ったミサイルをフリーダムは両腕にもったライフルで迎撃する。
「そんなことはない!人は、いつか争いを止めることだって出来るはずだ!」
『そうやって、出来もしないことを叫んでどれほどの時が過ぎたんだい?そんな事、ラウ・ル・クルーゼにも言われただろうに!』
「!?何で、君は彼のことを知って……ッ!?」
ラウ・ル・クルーゼ―――二年前の戦いでキラが討った敵。憎しみを世界に広げ、人類を裁こうとした大罪人。その時にした会話を何故知っているのか?
『知っているさ、傍観者を気取るつもりはないけどね―――君の事も知っているよ、キラ・ヤマト君―――最高のコーディネーター!』
リゲルグは距離を上手く取り続ける。近づきすぎず、かと言って距離を置き過ぎず、常に格闘戦と射撃戦、両方を選べるような位置を取っていた。
「君は一体、何だっていうんだ!?」
『クラウ・ハーケン―――ただの一技術者に過ぎない、程度の知れた人間さッ!!』
フリーダムが射撃戦に移行しようとしたその瞬間を狙い、逆に接近戦を仕掛ける。後ろに下がる機動と前に出る機動―――どちらが速いかは言うまでもない。連結しているビームサーベルを回転させ、前に突き出していたビームライフルを切り裂く。だが、切り裂く直前にビームが放たれ、リゲルグの肩を翳めた。
流石に格が違う―――そう呟くクラウは憎々しげな表情を浮かべながらも戦闘を続ける。クラウ・ハーケンの実力はキラ・ヤマトに届くことはありえない。スーパーコーディネーターという極限まで才能を弄られた彼に勝てる人間など、最早別の方向で進化を遂
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