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とある星の力を使いし者
第83話
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オリアナが気を失ったのでそれが解けたのだ。
そして、その声の主はリドヴィア=ロレンツェッティ 。
オリアナ=トムソンと共に学園都市内部で「使徒十字(クローチェディピエトロ)」を発動させる計画に加担し、街の支配によって科学サイドをまとめて制圧しようと考えている人物。

「間もなくこの「使徒十字(クローチェディピエトロ)」はその効果を発動し、学園都市は我々ローマ正教の都合の良いように改変されるかと。
 従って、貴方達がどれほどの傷を負っても関係ないので。
 どの道、その傷も含めた学園都市の全てが捻じ曲がる為に。」

その言葉が指すのは、「使徒十字(クローチェディピエトロ)」はオリアナの手ではなくリドヴィアの手にあるという事だ。

「奴の言葉をまともに聞くな、上条当麻。
 奴らが「使徒十字(クローチェディピエトロ)」を使おうとしている以上、この近くに必ずリドヴィアと霊装本体があるはずだ。
 君の右手なら、あらゆる霊装の機能を一撃で破壊できる。
 だから早く行け。
 リドヴィアは、この滑走路の近辺に」

「誤解なきように告げておきますが。
 「使徒十字(クローチェディピエトロ)」は現在、学園都市にはありませんので。」

「な、に?」

上条は思わず、地面に転がって気を失っているオリアナの方を見た。
そちらから聞こえるリドヴィアの声は、淡々と事実を告げる。

「そちらは学園都市内部「天文台(ベルヴェーレ)を調べたようですが、そちらは全て我々が誘導した結果に過ぎないので。
 どうやら、学園都市の外にある「天文台」にまでは手が回らなかったようですが。」

使徒十字(クローチェディピエトロ)」は星座の光を集めて発動する霊装だ。
「天文台」は星座の光を集めるのにうってつけと言える。
上条とステイルは、その言葉の意味を理解するのに数秒かかった。

「「使徒十字(クローチェディピエトロ)」によって作り出されたローマ教皇領は、最盛期には四万七〇〇〇平方キロメートルの領土を所有していましたので。
 およそ二〇〇キロ四方といった所かと。
 当然ながら、学園都市の外から放ったとして、余裕で街の全域をカバーできると計算され。」

くそ、とステイルは言葉を吐く。
地面に崩れたままの彼は、それでもまともに手足を動かす事もできず、上条に言った。

「やら、れた。
 上条当麻・・・土御門に連絡しろ!
 オリアナは、最初から・・・意識を街の中へと集中させるための・・・囮だったんだ!!」

「そう。
 彼女の役割は、本件に関わる人員・迎撃戦力の調査と、それら全員の注目を本命とは別の方法へ誘い込む事だったので。
 「人払い」や気配を断つ術式も構成できたはずですが。
 エサがなくては魚は釣れませんから、敢えて姿をさ
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