戦闘校舎のフェニックス
第20話
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きないわ。そのことについてもいずれ話さないといけないわね」
参加『しない』ではなく、参加『できない』か。
はぐれになった可能性を考えたがそういうわけではなさそうだ。怪我か何かだろうか。
だが今この話をするべきではないな。大事な戦いの前だ。モチベーションを下げたくない。
「今回の『レーティング・ゲーム』は両家の皆様も他の場所で戦闘をご覧になられます」
グレイフィアさんが話を変えてくれた。彼女にとっては事務的なものなのかもしれないが助かった。
「さらに、魔王ルシファー様も今回の一戦を拝見なされます。そのことをお忘れなきように」
魔王の一人も見るとなると、かなり注目度の高い一戦と言う事か。
それだけ、この縁談が悪魔社会に影響すると考えられているのだろう。
そう思っていたのだが。
「そう、お兄様が」
・・・今、部長はなんて言ったのだろうか。『お兄様』そう言った気がするのだが。
「えっと、今、部長が魔王様の事をお兄様って・・・俺の聞き間違いでしょうか?」
イッセーにもそう聞こえたらしい。
そして、祐斗が答えてくれた。
「いや、あってるよ。部長のお兄様は魔王様なんだよ」
・・・驚きで言葉が出ない。
戦争をしていた時代に四大魔王が亡くなったこと。そして、その名前が現在の魔王の役職の名として機能していることは知っていた。
だが、そのうちの一人が部長の兄妹だったとは思いもしなかった。
「サーゼクス・ルシファー―――『紅髪の魔王』、それが部長のお兄様であり、最強の魔王様だよ」
なるほど、だから部長が『グレモリー』を継がないといけないわけであり、純血悪魔の存続の縁談に部長が選ばれた理由でもあるのか。
こういった話はいくらトップだろうと両家との兼ね合いが必要になる。それが自身の居た家なら話をスムーズに進めることが出来たのだろう。妹を売るような話だ。
だが、サーゼクス・・・この名前どこかで聞いたことがあるのだが・・・
「そろそろお時間です。魔法陣の方へ」
グレイフィアさんが俺たちを促す。
今は考えても仕方がない。どうせ、教授から教わった時に軽く名前を聞いていた程度だろう。
今は戦いに集中しよう。
「なお、一度あちらのフィールドに移動しますと終了まで魔法陣による転移は不可能になります」
次にここに来るときは勝敗が決まってからと言うことだ。
「それでは、ご武運を」
そうして俺たちは戦場へと転移した。
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