第四十七話 エースの条件
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そういった事に対して物怖じしなければ大した意味を成すことはない。ともかく、バズーカを持っていた肩を貫かれてしまったヒルダは後ろに下がろうとする。
だが、ホバリング推進システムは繊細さを要求されるものだ。急に後ろに下がるのにもテクニックが必要であり、上手く下がれない。
『ヒルダ、その前に右に避けろ!』
マーズがそう言った瞬間、ヒルダは咄嗟に右にスライドするように移動して、アレックの二度目の攻撃をギリギリで躱す。後ろに向かってもたついて下がっていたのなら再び貫かれていたことだろう。そしてマーズはそのまま持っていた大型バズーカ砲で実体弾を放ち、その後ビーム砲も連射して放つ。それと同時にヘルベルトがビームサーベルを展開して斬りかかろうとする。
「やるなッ!だが―――」
スラスターを全開にして上方へと跳び上がった。そのまま勢いを付け、空中に浮かぶことは可能だろうが、アレックはあえてそれをしない。
『グッ!?あたしを踏み台にしただって!?』
貫通していない左肩の方に脚を乗せてもう一段跳び上がるアレック。その行動にドムのパイロットである三人は驚愕する。恐ろしく器用な使い方をしている。普通の人間でもそうそう出来ないような動作を、操作性が難しく、人間の動きを完全に真似出来るわけでないMSが行ったのだ。驚愕するのも無理はない。
「喰らえッ!」
そのまま宙に浮かんだ状態でヘルベルトのドムにビーム・ソードを放ち、ドムの頭部が貫いた。
『ヘルベルト!?』
ヒルダが反転して残った左腕でビームサーベルを抜き放ち、斬りかかる。流石に体勢を崩していたドムがすぐさま反撃してくるとは思ってもみなかったのかシールドを犠牲に距離を取る結果となった。しかし、もう一機、マーズのドムが追いすがるように接近する。
『落ちな!』
ドムのビームサーベルが迫りくる。回避は間に合わない―――ならば、とアレックもビーム・ソードを使いドムに向かって斬りつける。お互いに致命傷こそ避けたが損傷する。痛み分けといった所だろう。
『あたしら相手に一対三で戦えるなんて……とんでもない相手だね、全く―――』
「あの三機、一機一機の実力も高いが、連携されるとさらに厄介だな―――」
お互いに相手の実力に舌を巻く。だが、損傷していようとも彼らは決着がついていない以上、戦闘は続く。
◇
オーブが戦場になり、誰もが戦闘を続けている中、ゆったりと歩を進める数機のMSが居た。戦場の最中で歩いていてよく的にならないと思うだろう。しかし、彼らは歩いていても問題は一切ない。何故なら、彼らの機体はNダガーN―――ミラージュコロイドと核動力を搭載したMSなのだから。
展開しているミラージュコロイドのおかげで部隊は悠々と歩いて移動できて
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