ターン27 女戦士と宝石騎士
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料袋とおぼしきものを手渡していた。くっ、バイトがあると一声かけてくれれば僕だって行ってたのに。
「いやいやいや、だってさ」
うん、さすがに半分は冗談。まあどう考えてもこんなところで闘技場作らせてる女なんてただ者なわけがないし、こっちから遠慮してただろう。………しかし給料ってあれいくらぐらいもらってたんだろうか。
「さて、待たせたな。私はセブンスターズの一員にしてアマゾネスの末裔、タニヤ。このコロシアムで七星門の鍵をかけた聖なる戦いを行う」
わかっていたこととはいえ、サッと場に緊張が走る。アマゾネス、確か地球のどこかにあるっていう女性だけの一族のことだ。しかしこの人、下手すると一回で終わるデュエルのためだけにわざわざこんな建物作らせたのか。暇人というかなんというか。と、いきなりタニヤの声がぶりっ子っぽくなった。
「でもね、私と戦うことができるのは、男の中の男だけ」
「「何よそれ!」……だって!」
語尾にハートマークでもつきそうな声で事実上あんたらとはデュエルしないという宣言をされ、女性人二人が怒りの声を上げる。もうこの迫力からいっても明日香は資格あるんじゃないかな、本人の前では死んでもこんなこと言えないけど。あ、また声戻った。
「我こそは男というもの、出て来い!」
「俺が!」
「いや、俺だろう!」
「いいや、俺だ!」
「僕が行く!」
我こそは男!ということで一斉に名乗りを上げる男性陣をじっくりと見つめたタニヤ。これ、当ててもらえなかったら地味にへこむだろうなー。
「面構えは全員悪くないけど………ユー!」
そういってタニヤが指差したのは、三沢。くっ……なんかちょっと一瞬だけドヤ顔になってたのが無駄に悔しい!
「いいだろう、この三沢大地が相手しよう」
「まず、デュエルの前に聞かせてもらう。ここに2つのデッキがあるが、一つは勇気のデッキでもう一つは知恵のデッキ。さあ、どちらを選ぶ?」
「当然、知恵のデッキだ!」
なにが当然なんだろーか。
「そっちがデッキの内容を決めさせたならば、俺も同じことをしてやろう。ここに6つの属性デッキがあるが、どれを相手にするか選んでもらおうか!」
そう言って黄色の制服をはだけ、常に身に着けている6つのデッキケースを見せつける三沢。三沢よ、仮にも女性の前でいちいちそのポーズとるのはやめたほうがいいと僕は思うよ。素肌は見せてないとはいえ、セクハラ扱いされても文句言えないし。
「キャー、三沢っちったら大胆ー!じゃあタニヤ、あなたの名前と同じ地属性のデッキをお願いするわー!」
コロシアム全体に、何とも言えない空気が広がった。………三沢、ファイト。
「ええい、そんな見え透いたお色気作戦なんかに引っかかってたまるか!」
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