ターン27 女戦士と宝石騎士
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く特訓は終わりになった。さ、授業授業。確か今日は、1時間目から大徳寺先生の錬金術だっけか。
「ガラッガラだ」
「スカスカっすね」
おかしい。何がおかしいって、もう授業はじまってるのに空席がやたらと目立つ。青黄赤、全色合わせてもせいぜいいつもの4分の3ぐらいしかいない。いつものほほんとした大徳寺先生もさすがに不安そうな顔をして、無断欠席の理由を知っている人がいないか尋ねている。が、どうも誰もわからないらしい。そういや、今朝もレッド生が数人いなかったな。貧乏根性のしみついたオシリスレッドでただ飯に来ないなんて何かあるとは思ってたけど、まさかこんなに人がいないとは。
「大変です先生、森でこんなものが!」
そういいながら事務の人が、何やらカバンを持って駆け込んでくる。そのかばんにはくっきりと『GOTOU』の文字があった。後藤……一体どこに行っちゃったんだ?その後人がいないので授業は中止となり、いったん生徒は各自寮に戻るようアナウンスがあった。けど、
「これはもう、探してみるしかないね。ちょっと手かしてね、サッカー」
「だな。手伝ってくれ相棒!」
当然のごとく無視。ハネクリボーとシャーク・サッカーを呼び出して、僕らも素早く森の中に入るのであった。
そして、かれこれ10分ほど歩きまわったころ。いきなり森の開けた場所に出ると、そこには謎の石造りの建物がそびえたっていた。え、なにこれ。
「ああ、みんな、あれを見るんだな〜!」
隼人が指差した先には、見覚えのある制服を着たたくさんの男子高校生が四角い石を運んだり切ったりしてその建物を作り上げていくシュールな光景。それと、虎。英語にするとタイガー。
「………虎?」
なんかもう手遅れな気もしたけど、なるべく刺激しないようにしてゆっくりと後ろを向き、そのまま一歩ずつ前に進m
「こっち来た!逃げろーっ!!」
大慌てで走り出し、必死になって建設途中の柱の一本にしがみついてよじ登った。チラッと下を見たら、こっちが手を放すまで粘るつもりなのか足元でうろうろしてる虎と目があった。今気づいたけど、この虎片目がないのね。でっかい傷跡が残ってる。まあどうでもいいことだけど。
「バース!」
「ん?」
さて、これからどうしようかと考えだしたとき、建物の中から凛とした女性の声が聞こえた。するとその虎、いやバースはさっきまでの態度が嘘のように、例えて言うなら借りてきた猫のようになって大人しく声のほうに走って行った。
「ようこそ、私の城へ。もう降りてもらっても構わないぞ」
そのたくましい褐色の肌の女性の言葉に従って地面に降りると、当の女性はさっきまで作業していたアカデミア生に対してひとりひとり丁寧にねぎらいの言葉をかけて給
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