暁 〜小説投稿サイト〜
遊戯王GX 〜水と氷の交響曲〜
ターン27 女戦士と宝石騎士
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ん、俺もずっとそう思ってた。なんで定置網張ったり投網ぶん投げたりする方向に走るんだよお前は。ってツッコミができないぐらい必死だったから黙ってたけどな』
「ありがと三沢。でもいいよ、とりあえず僕は今から寮に帰ってこの網を縫い直すから。あ、大量になったらラーイエローにもおすそ分けするから楽しみにしててね」
『これ全部嫌味抜きの本音で言えるんだからお前って大した奴だよな』

 何代前の先輩が何を考えて買ったのかまるで訳が分からないけどせっかくなのでありがたく使わせてもらってる軽く20メートルはある投網をバサッと肩に担ぎながらそう言うと、三沢は心底呆れたようにため息をついた。そのまま僕の肩に手を置き、真剣な目で一言、

「わかった、わかったからとりあえず今日はお前ら全員でウチまで来てくれ。樺山先生のことだ、今日もカレーの仕込みはもう終わってるだろうしな」

って言ってくれたのがなんか泣きそうになるほど嬉しかった。樺山先生、カレー美味しかったです。あ、それと投網修理に使う針だのなんだのも貸してくれてほんとありがとうございました。この恩はいつかこの網でたくさん魚が獲れたら返します。

『お前……三沢がメシおごってくれた意味ぜんっぜん理解してねーな?』





 そして、朝カレーをおなか一杯頂いてから。僕と十代、隼人に翔は三沢からラーイエローのすぐ近くの崖まで呼び出されていた。なんでも、デュエルの早朝特訓を始めるらしい。そう思ってた時期が僕にもありました。始まったのは、掛け声とともにひたすらカードを引く特訓。確かに効果があるであろうことは大山先輩が実証済みだけど、だけど………あえて言わせてもらおう、どうしてこうなった。

「アン、ドゥー、ドロー。アン、ドゥー・ドロー。アン、ドゥー、ドロー………ねえ三沢、これあと何セットやるんだっけ?」
「アン、ドゥー、ドロー。もちろん、自分のデッキがなくなるまでだ!」
「アン、ドゥー、ドロー……ってことは、俺と隼人と翔はあと11回か!」
「アン、ドゥー…………ってことは何?デッキ枚数60の僕はこの3人より20回多くやんなきゃいけないの!?」
「そもそも、なんで俺らまでやらなきゃいけないんだな〜。お、翔、そのカード雷電娘々か?」
「あ、ばれた?えへへ、僕のアイドルカードなんだ」

 残りデッキの枚数が10枚を切ったあたりで、隼人と翔が雑談を始める。隼人のおかーさん、ディアン・ケトに似てるってどんな顔なんだろ。少なくとも隼人本人が父親似なのはこの前よくわかったけど。
 ふむ、アイドルカード、か。まあ僕のデッキならレイス一択だな。三沢は間違いなくピケルだろう。まあ本人にとっては触れてほしくない点らしいので、あえて何も言わないでおく。それが自分でもわかっているのだろう、特にとがめられることはな
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