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機動6課副部隊長の憂鬱な日々
外伝
外伝1:フェイト編
第8話:研究所にて
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いた。

「よければ信用できる人間を一人知っていますけど・・・」

フェイトが軽く手を上げて言う。
ミュンツァーは発言したフェイトに厳しい目を送っていた。

「本当にこの状況で信用できる人間なんだろうな?
 念のために言っておくが、この艦に乗る全員の命がかかっていると言っても
 過言じゃないぞ」

「判ってます」

フェイトが短く答えると、その声と表情で納得したミュンツァーが
小さく頷いた。

「それで誰なんだ?」

ヒルベルトが待ち切れずに尋ねる。

「本局運用部所属のクロノ・ハラオウン執務官です。 兄なら信頼できます」

フェイトがそう言うと、ミュンツァーは腕組みをして唸り声をあげる。

「クロノ・ハラオウン執務官か・・・」

「いけませんか?」

「いや、そんなことはない。 本局勤務の彼であれば事件について調査する
 術もあるだろう。だがな・・・」
 
ミュンツァーはそこで言い淀んだ。

「何か気になることでもあるんですか?」

首を傾げたフェイトが尋ねると、ミュンツァーは大きく息を吐いてから口を開いた。

「通信で話せば傍受の可能性も出てくるぞ」

ゲオルグとヒルベルトはミュンツァーの言葉を聞いてハッとした顔をする。
だが、それとは対照的にフェイトは平然としていた。

「では、この艦に来てもらいましょう」

平坦な声で言ったフェイトの言葉にミュンツァーは首を振った。

「それでは上層部の疑念を招くかもしれん。 来週には本局に帰港する予定だから
 そのタイミングで俺とハラオウンの2人で話しに行くのはどうだ?」

「わかりました」

フェイトはミュンツァーに向かって深く頷いた。

「よし。 ではこれで解散する。 ご苦労だった」

その言葉とともにミュンツァーはテーブル手をついて立ち上がった。
会議室を出ようとしたところでフェイトの方を振り返る。

「ハラオウン。 ちょっとついて来い」

「?・・・はい」

自分が呼ばれた理由が判らず、フェイトは不思議そうな表情を見せつつも
ミュンツァーの後に続いて会議室を出た。
残されたゲオルグとヒルベルトはそれぞれに、先ほどまでの話を自分の中で
消化しようとしていた。
しばらくして、ゲオルグは小さくため息をつくと椅子から立ち上がった。

「ゲオルグ」

だが、ヒルベルトに呼び止められたゲオルグはその動きを止めて
ヒルベルトの方に顔を向ける。

「なんですか?」

ゲオルグが尋ねるとヒルベルトはバツが悪そうな表情を見せる。

「さっきはお前の過去を茶化して悪かった。 すまん」

ヒルベルトはそう言って深く頭を下げた。
呆気にとられたゲオルグはしばし呆然とヒルベルト
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