暁 〜小説投稿サイト〜
【ネタ】 戦記風伝説のプリンセスバトル (伝説のオウガバトル)
06 追撃 その二
[3/6]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
所にやってきたものだから、最初よろしく大騒ぎに。
 ワイアームのボイナの背に乗って、私は夜の空に飛び立つ。
 なお、当たり前だが、神聖都市セルジッペでもこの姿で大騒ぎとなった。
 味方が開放していたというのに……


「おや、そいつは『あくとくのこうろ』ですな。
 つまらないものですが、お礼として『セントールのぞう』を貴方様に差し上げましょう。
 今度会う時は、もっとマシなお礼を用意しますので、今回はこれでご容赦を」

 トードの屋敷は立派なくせに見事なまでにがらんどうとしていた。
 反乱軍が攻め込んできたので悪徳商売はここまでと見切りをつけたのはさすがである。
 とはいえ、トードもその護衛もワイアームがドラゴン掴んで夜半特攻するなんて考えていなかったらしく、更にそこから見るからに高そうなドレスを纏った女が降りてくるなんて思わなかったに違いない。

「いいわよ。
 頼まれ物だったし。
 貴方とは一度お話がしたかったので。トードさん」

「……反乱軍きっての才媛。
 『流浪の姫君』とお話ができるなんて光栄ですな」

 さすが悪徳商人。
 頭がはやい。
 ついでに揉み手をするあたりちゃんと商売であるという事を分かってやがる。

「で、あまり評判の良くない私どもにどんな御用で?」

「ゼノビアのスラムを買収したいの」

 その一言でぴんと来たらしい。
 悪徳に相応しい笑みを浮かべる。

「高くなりますよ」

「払えるだけのものは用意するけどね。
 とびきりのネタよ」

 互いに笑みを浮かべたまま。
 頭をフルに働かせて、舌戦を繰り広げる。
 ゼノビア攻略の為には、どうしてもスラムの掌握が必要になる。
 悪徳商人ならばそのスラムに顔が聞くだろうと思っていたが案の上か。

「反乱軍の赦免状では値段があいませぬな。
 我々は商人です。
 儲けがあるならば、何処にでも行くし、何処にでも去ってしまうので」

「ロシュフォル教会」

 ビンゴ!
 トードが固まった。
 各国に教会を持ち、その利害仲裁を担当していたロシュフォル教会の赦免状は絶大な影響力と信用を持つ。
 同時に、悪徳商人では絶対に持つ事ができないプラチナの信用でもある。

「ずっと悪徳で稼いでもいいけど、いずれ私達が勝つにせよ負けるにせよ悪徳で稼げる時代は終わりが来るわ。
 その時に、稼いだ金と共に歴史に悪名を刻むならばそれもまたいいけどね」

 けど、知っている。
 商人というのは、金を稼ぎきったら、今度は名誉に手をだすという事を。
 それは、恨みを買った彼らの防衛行動でもある。

「貴方がそれを用意できるというので?」

「まさか。
 あなたの言葉で返すならば、それぞ『値段が合わ
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ