暁 〜小説投稿サイト〜
ハイスクールD×D―魔法使いのキセキ―
戦闘校舎のフェニックス
第19話
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祐斗たちとの戦闘で強くなったと実感できる。
 だが、問題はイッセーだろう。アイツはやればやるほど自分の弱さを実感していっている。
 祐斗とやればその技術に、朱乃さんとやればその偉大さに、アーシアと共にいればその成長の速さに。
 俺とだってそうだ。経験がない同士で始めた修行だが、経験不足を補ったことで俺は成長できたと感じれる。
 それはイッセーにとって重荷になってるだろう。アイツ自身も強くなっているのは確かだがそれをアイツが実感できていない。
 結果、あいつが弱気になってしまっている。
 どうにかして自信をつけてやりたいが、どうしたものか。
「朔夜、いいか?」
 そんなことを考えているとイッセーが来た。
「いいぞ」
 そういうとイッセーが入ってきた。
「何をやってるんだ?」
「レーティングゲームのルールを見てるところだ」
 今俺は部長に頼んで用意してもらったレーティングゲームのルールブックを読んでいる。
 ゲームでありスポーツのようなものためちゃんとルールがある。それを把握しておく必要があるだろうと思い部長に頼んだ。
 読んでみると結構面白かったりする。チェスを元にしたルールだと思ったがそれだけではなく、色々ルールが存在し、その都度特別ルールが設けられる場合もある。
 普通に王を落とすオーソドックスなルールの他に、駒価値を利用した『ダイス・フィギュア』。旗を取り合う『スクランブル・フラッグ』等。
 だが今回はこの辺りの特殊ルールは無視していいだろう。特別ルールも設けられないと思う。
 理由は部長がゲーム初心者どころか初陣で、ライザーが経験者だからだ。
 公式だったなら特殊ルールも有りえたが、今回は非公式で圧倒的に部長に不利なゲーム。そこにさらに特殊ルールをすることはさすがにないと読んでいる。
「・・・さすがだな、朔夜は」
「何がだ?」
「頭良いしさ。今回の合宿でどんどん強くなって。何でもできるだろ」
「・・・」
「今だってゲームのために勉強してさ。その点俺は・・・」
 ここで俺が励ましても意味がないだろう。こいつが欲しい自信を与えることはできない。
「俺は頭を使うタイプだからな。知識をつけて、経験を付けてそこから考えて動く。
 だがお前はそうじゃない。馬鹿正直に突っ走るのがお前だろ」
 だから進む力を与える。自信がなくても進める力を。
「馬鹿が下手に悩んだって答えは出ないんだ。下手な考え休むに似たり。なら動け。お前はいつもそうしてきただろうが。考えるのは俺の役目だ。
 お前は何も考えずに、何も気にせずに、相手が誰だろうと、なんだろうとただやりたいように突き進む。それがイッセーだろ?」
 言葉にして並べるとひどいものだ。だがこれがイッセー。あれこれ悩むなんて正直こいつらしくない。
「・・・そうだな。
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