始まり
第03話 嫌な記憶
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たテーブルに座り、イザベラからの報告を受けていた。
「シャワーなの? 珍しいわね、あの子にしたら」
「夢見が悪かった、と、本人が言っていた。……なので、おそらくアレかと」
アレ、それを聞いて理解したのはライザーとレイヴェル、そして眷属年長者組だけだった。
ユーベルーナも「そう……」と零した。
「あのー、ライザー様。イザベラの言うアレっていったいなんですかにゃ?」
「……ここにいる少数しか知らなかったな」
兵士の一人である獣人のニィの質問に答えようとするが、どこか言いにくそうに眼を閉じた。
「これは秋人自身のことだ。だから本人の知らないところで話すのは、な」
「―――気を遣わなくても大丈夫。一応、自分なりに受け入れているから」
「秋人さま!?」
扉が開くと当時に声が聞こえた。
いつの間にかやってきていた秋人が口を挟んだ。
「いつの間に?」
「ついさっき。それはそうと、さっきも言ったけど、別に気を遣わなくても大丈夫。ここにいる面々は信用してるし。それに隠すほどのことでもないからな」
「……ホントにいいのかにゃ? なんだか思った以上に重いようなしがして……」
「だから大丈夫だって。まあ、食事前にするような話じゃないから、あとで話すよ」
きっかけとなったミィもニィも暗い空気にしてしまったことを反省しつつも、秋人の言葉に申し訳なさそうに頷いた。
しかし、それに待ったがかかった。
ライザーだ。
ライザーは話の腰を折ったことを悪く思いながらも口を開いた。
「すまないが秋人、食事が終わったらレイヴェルと共に書斎へ行ってくれ。父上がお呼びだ」
「何かあるのか?」
「詳しい内容はわからないが、何か頼みごとがあるらしい」
「そう。……じゃあ代わりに説明してやってくれないか?」
「自分で言わなくていいのか?」
「ああ」
その後、朝食を取り終え、各々食卓を後にした。
◇―――――――――◆
ライザーは広間に眷属達全員が集まったことの確認すると口を開いた。
「なんとなく察しているとは思うが、アレは秋人の心の闇だ。春彦殿と夏妃殿を目の前で殺された秋人の、な」
その言葉に誰しもが表情を曇らせた。
「お前達も知っての通り、我がフェニックス家と秋人の家系は代々付き合いがある。悪魔と人間の等価交換から始まり、今では親友で家族といっても過言ではない。その中でも父上と母上、春彦殿と夏妃殿の関係は……お前達もよくわかっているだろ?」
苦笑しながら頷く者もいれば、笑う者もいた。
「元々、春彦殿と夏妃殿は人外に対する嫌悪感を持っていなかった。自分の才に溺れてきつくい接していた時でも、いつも笑顔で迎えてくれて…
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