始まり
第02話 魔法使いだけど気にしない
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ど……」
「ま、俺のことは置いといて。ミラのことなんだけど、まず思ったのは真っ直ぐ過ぎる」
「真っ直ぐ、ですか?」
「型通りというか、フェイントや誘い…虚を突かないとさっきみたく当たらないうえにカウンターの餌食になってしまう」
先ほどの組手のことを思い出したのか悔しそうに顔を歪める。
けれどもすぐに真面目な表情で頷く。
「あとは筋力不足かな。速さ的確さはあるけど、もしも今後レーティングゲームに出るとなると厳しいと思う」
「です、よね」
「だから力不足を魔法で補うのはどう?」
「魔法……私苦手ですよ」
「大丈夫。さっき無意識でやってたみたいだし、今度はそれを意識してやればいい」
「やってたって……」
「武器に魔力を纏わせたんだ。魔法の括りとしては強化魔法」
秋人はそう言ってミラから棍を借りる。
握られた棍は強い魔力の光に包まれた。
「で、これを叩き付けると」
ドゴッ!
そんな音とともに地面には亀裂が入り、陥没した。
「!?」
「とまあこんな感じになる。応用として魔力に形を与えて矛や槍みたいにして打撃を斬撃へ。それだけでも攻撃パターンのレパートリーが増えた。で、練習方法は……―――」
◇―――――――――◆
言うだけ言って去ってしまった秋人さま。
秋人さまから教わったように棍に魔力を纏わせ、持続させる。
ッ、思っていたより、難しい。
秋人さまのようにムラをなくせない。
「あれ? ミラだ」
「お〜い! ミラ〜!」
「イル、ネル」
秋人さまと入れ替わりにやって来た体操着にスパッツ姿の双子の姉妹。
「何やってんの?」
「秋人さまからアドバイスを頂いたのでそれを試してた」
「えーっ!? お兄さんいたの!?」
「さっきまでいたけど?」
「あーあ、それならもう少し早く来ればよかった!」
ガックシと肩を落とす二人。
二人は秋人さまを実の兄のように慕っている。
ライザーさまも同じかと思うけどそうではない。
年が離れすぎていることもありますが、それ以前にライザーさまは主で私たちは眷属という意識が強いためかと。
「まあまあ。秋人さまは夏休みでしばらくこっちにいるんだから今会えなくても後で会えるでしょ?」
「……それもそうだね」
そうなだめるとしぶしぶといった感じながらも納得させることができた。
「相変わらず秋人さまが大好きだね」
「もちろん!」
「お兄さんはお兄さんなんだから!」
ねー、と、ニコニコ顔を見合わせるイルとネル。
「ミラは鍛錬まだ続けるの?」
「そのつもりだよ」
「じゃあ私たちも参加していいかな? ここに来たのだ
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