始まり
第01話 人間である俺と悪魔な彼ら
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ああ、すぐ行く」
ライザーと別れ、秋人とレイヴェルは広間へと向かった。
◇―――――――――◇
「秋人君、ライザーはどうだったかね」
数分後、さっぱりしたライザーが広間へと着き、全員で食事をとりだす。
間を見てライザーの父親が話しかけてきた。
「結構鈍ってたみたいですよ、フェニックス卿。ライザーはここしばらく机と向き合ってたんですよね?」
「何度も言ってるじゃないか、ロイドで良いと」
にこやかに話すロイド。
彼がそういうのも当たり前であり、フェニックス家と秋人は家族ぐるみの付き合いがある。
秋人の両親とフェニックス家現当主、ロイド・フェニックスは友人関係であった。
ロイドがフェニックス家当主を次ぐ以前、悪魔の仕事を行っている際に秋人の両親と出会い、意気投合。
その後も関係が途切れることはなく、かれこれニ十年近くになっていた。
「まあ、ライザーにも少しながら仕事を回し、特に最近は忙しかったからな。そうなってしまったのは仕方ないか」
「それにもうすぐお兄様の初の公式レーティングゲームですもの」
「……いや、確かに仕事に研究とで忙しかったが、それは言い訳だ」
父親と妹の言葉を切り捨て自らを振り替えるライザー。
「ハッハッハ、そうかそうか。ライザー、お前も言うようになったじゃないか。そう思わないかリーゼル?」
「ええ、そうですね。以前まではフェニックスの才に溺れ、悪い意味でプライド高かったもの」
「は、母上っ」
「うふふ、ごめんなさいね。でも、そのライザーが今のライザーに変われたのもきっと秋人君との出会いがあったからなんでしょうね」
「……確かに今の俺があるのはこいつのおかげです。俺を負かし、現実を教えてくれた秋人の、な」
「なんかきれいに言ってるが、図々しいうえにケンカを売られたからイラッときて殴っただ」
「だが、殴られて分かることもあるんだ」
「……そーかい」
「秋人さま、照れていますの?」
「うっさい」
レイヴェルに指摘され、顔を少し赤くしながらそっぽ向く秋人。
それを見てレイヴェルたちは笑みを浮かべた。
「ところで秋人君、あの件は考えてくれたかな?」
ロイドはいまだ笑みを浮かべながら尋ねた。
「……養子の件ですよね。金銭的な援助をしてもらってるだけでもありがたいのに、そこまでしてもらうのは気が引けるといいますか……」
「別に気にしなくていいんだぞ。秋人君とは家族同然なんだ。それに君の両親、春彦と夏妃からも頼まれて―――」
「あなた、秋人君が困ってますわよ」
「む、むう」
申し訳なさそうな表情をする秋人に気付き、リーゼルはヒートアップしそうなロイドを止めた。
ロイドは
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