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異世界からチートな常識人が来るそうですよ(タイトル詐欺)
第二十話 無題 って書けたら楽だな
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―――――7759175外門。"アンダーウッドの大瀑布"フィル・ボルグの丘陵。
「ふう、ここが南側………、でかいなぁ……」
証は伸びをしながら辺り一面の緑の景色を眺める。一際目立つのは巨大な水樹。高さは五百メートルはありそうだ。
「んー、これだけ離れていると文化が全く違うんだな」
「………早く行きましょう。私たちはドラコ・グライフ″への特使なのですから」
そう証の隣で小言をしているのはサウザンドアイズ″の女性店員だ。今日の彼女は割烹着ではなく、鮮やかな着物に化粧をしている。
「まあ、俺は護衛だからあまり関係ないけど、頭首さんと話している間は自由でいいんだよな?」
「ええ。………しかし、おかしいですね。本来なら本拠まで運んでくれるグリフォンを寄越してくれると聞いていましたが………」
「んー、何かあったかな? あそこ、戦闘の跡が見えるけど?」
「え?」
驚いて指差す方向を見るが全く見えない。恩恵を使っているのかと強引に納得して証の言葉に相槌を打つ。
「ええ、この辺りは一ヶ月前に魔王の残党である巨人族に襲撃されたようです」
「一ヶ月前……ということはペストと同じ時期か」
「そうなりますね。白夜叉様もそれは気にしておりました」
「そりゃまあ、偶然じゃないだろ。………来ないならもう行きますかね? あれにでも乗せてもらって」
「え?」
証の指す方向には違う外門から来たと思わしき商人コミュニティがいた。荷物を運ぶための馬車もある。証は近づいて獣人の爺さんに話しかける。
「すいません〜、その馬車に乗せてもらえませんかね?」
「ん? おお、いいぜ席は空いてるから乗ってきな!」
「どうもです」
「ありがとうございます」
そう言って便乗して"アンダーウッド"の本拠に向かう。途中、ネコ耳獣人の爺さんが話しかけてくる。
「ここらへんじゃ見ない顔だけど、収穫祭の準備か何かか?」
「ああ、まあそんな感じです」
適当に笑ってはぐらかす。しかし、ふと気になった触感に反応する。
「これは………血かな?」
「何? ………確かに匂うな。しかしどうして獣人より鼻が良いんだ?」
「匂いで把握してたわけじゃないからな………ちょっと行ってくる☆」
「あ、貴方!?」
そう言い残して何処かへと向かって跳んでいった。依頼を放り出して見に行くとは論外である。蟀谷に青筋を立てながらも、女性店員は諦めたようにため息をついた。
「……このまま、進めてください」
「お、おうあんたも大変だな」
獣人の爺さんは同情するように見る。
――――――突然、馬が暴れ始める。何かに怯えるように棒立ちになった。
「ど、どうした!?」
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