復興の花
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んだから」
充「大丈夫だよ。漁師なめんなよ」
彼女「はいはい。切るよ。放送かけるから」
三十分後
「こちらはNTTドコモです。電波の届かない場所にいるか電源が入っていない〜」
充「えっ嘘だろ」
勝「変なこと考えるな。舞ちゃんを信じろ」
(終わり)
その庁舎三階に向けて手を合わす充
充「お前のブルガリの指輪。網にかかったら俺がもらうからな」
充は心の中で呟いた。
越喜来漁港
港湾整備工事
大型クレーン
いそがしく動く作業員
それをよそに水揚げされた魚をトラックに積む正たち
勝「今日もご苦労さんだね。俺達のために」
水野「そうですね。たった七人の不認可会社のために一四億ですよ」
正「一人二億か。随分な待遇をしてくれるじゃねえか菅さんは」
事務所の窓を拭く初音
そこに四人が帰ってくる
初音「おかえり」
四人「ただいま」
正は使い物にならない魚網で作った魚の人形を手に取る
初音「これ、お母さん仲間といっぱい作ったたんだけど、どうかな?」
正「これ。いいな」
人形を手にとる水野
水野「これ。お得意様にも配りたいんですけど、もうちょっと作って貰っていいですか?」
初音「はい。よろこんで」
笑顔の初音
人形の話で盛り上がる四人と初音
玄関から声が聞こえてくる
客人「正さーん。いるか」
入り口側の長机の真ん中の席に座る客人・
雅俊
反対側に立ち雅俊を見下ろす五人
机の上には人形が十数個散らばっている
正 「丘の仕事上手くいつてんのか?」
雅俊「あれから重機免許とって瓦礫作業やってたんだけど九月一杯で俺みたいな素人は契約終了さ」
勝「猫の手も借りたい時期は終わったってことか」
雅俊「それで。図々しいのは百も承知なんだが何でもやるから使ってくんねえか」
頭を下げる雅俊
充「人手はいるけどあそこまで言ったんだからみんな許さないよ」
正と雅俊
人形を雅俊に手渡す正
正「許すとかの前になに言われたか忘れたわ。
これ。仲間の証だ」
雅俊「あんがとう」
農林水産省庁舎の外観
その裏で遠野は闘っていた。
水産庁加工流通課
受話器を耳に当てる遠野
遠野「あの件。その後どうなりました?」
岩手県庁
認可法人担当の棚井 栄
棚井「その件なら無理って言ったじゃないですか」
遠野「理由は県漁とかからの圧ですか?」
棚井「違います。大きな理由は規模が小さすぎるからです」
遠野「宮城は許可してるじゃないですか。許可しなかったらマスコミ使って叩きますよ」
棚井「そんな乱暴な
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