復興の花
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が聞こえた。
水野は自分の右手で左ほほをパンパンと叩く
水野「やるしかないよ」
海を疾走する船
甲板で仁王立ちする勝と充
操舵室の窓から顔を出す正
水しぶきが上がる
震災から二つき。足りない資材は借金して購入し、やっと海に出ることができた。また、水野の奮闘が実りなんとか販路を開拓した。
しかし
集会所の大広間に構えた事務所
事務所の片隅に置かれてるデスクのイスに座る水野
電話の受話器を持つ
水野「なんでうちは認可法人になれないんですか?」
正たちが事務所に入ってくる
水野は勢いよく電話を切った。
水野「あーもう」
正 「首を縦に振らんかったか」
水野「宮城は俺たちみたいな小規模でも認可してるのに」
充 「やっぱ。県漁の助け舟を無視するのは まずかったんじゃないんですか?」
デスクの辺りにあぐらをかく正・勝・充
イスを回転させ三人の方を向く水野
水野「ここで諦めたら、また儲からない漁業
やらされるんですよ」
正「そうだな」
心配そうな表情をする勝
「でも。早くはんこもらわんことには町の人から俺らのやってること認めてもらえんよ」
デスクのイスから立ち上がる水野
水野「そうだ。今獲った魚に保冷剤つめて静岡行きましょう」
立ち上がった水野を見上げる三人
勝「なにしに行くんだよ?」
充「販路拡大のためですよね?」
正「それなら俺らは行っても役にたたんぞ」
水野「視察も兼ねてですよ」
三人「視察?」
昔の活気のあった漁港の様子
大昔に網元制が廃止され漁民は開放された。そして、流通を発達させるため漁協を作った。しかし、それが以前の網元と漁民のような関係をつくってしまった。また卸、仲卸を経ての流通は漁協の規模が小さいほど漁民は儲からない、卸も儲からない、長だけ儲かる漁業の仕組みを生んでしまった。
静岡県由比漁港
人々が行き交う
【由比桜えびまつり】という横断幕が掲げられている
人でにぎわう漁港
一台の黒いワンボックスカー
後ろのドアから魚の入った発泡スチロール
を降ろす水野と充
充「視察じゃなくて露天販売じゃないですか」
水野「まあ。そう言わないで」
由比漁協の組合長室
ソファーに座る水野と正
落ち着きない様子の正
正「充大丈夫かな?」
水野「勝さんいるから大丈夫でしょ」
正「あいつも心配だな。血の気が多いから」
その部屋のドアが開く
組合長の下原が右手を挙げて室内に入ってくる
二人は立って組合長にお辞儀をした。
下原「やあ。水野君元気か?」
水野「ご無沙汰してます」
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