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IS 〜インフィニット・ストラトス〜 日常を奪い去られた少年
第10話
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は普通に言い出せるようになった。これは進歩なのか慣れなのか分からないけど、簪さんに対しては苦手意識が薄れつつある。

「あ、ごめん……そう言う意味じゃなくて、呼び捨てにして欲しい、って意味」

「……良いけど、何でまた?」

「何か、さんって付けられると本当に私たち友達なのかなって不安になるの…………我が儘だよね」

「まぁ、確かにそう思うのも仕方ない、か」

俊吾は少し呼吸を整える。いくら名前を呼ぶのが慣れたといっても、呼び捨ては別物だ。正直言って、女子を呼び捨てしたことなんてない。

「はぁ……ま、腹括るしかないよな…………」

簪はどこか申し訳なさそうな顔をしている。簪の心境を考えると、確かに友達にいつまでもさん付けなのは不安になるだろう。どうにかして、自然な会話で名前を呼ぼう。今はそれが限界だ。俊吾は他愛のない会話を繰り出す。

「そういえば、今日、ご飯はどうする?」

「どうするって……どう言う意味?」

さっきの事を気に病んでいるのか、少し返答は元気がなかった。

「一緒に食べるかどうかって意味」

「俊吾くんに迷惑じゃなかったら、一緒に食べよう?」

「んじゃ、一緒に食べるか。一回部屋に戻るか?」

「今日はそこまで汗かいてないし……このまま行こう?」

「よし、じゃあ、食堂まで行こうぜ、簪」

簪はその一言で今までの会話の意図を理解して、少し嬉しそうな顔をして

「うん……」

と控えめに微笑んだ。それを見て俊吾は安心した。そのまま二人は食堂に向かった。

◇   ◆   ◇   ◆

夕飯を食べた俊吾は部屋で寛ぎながら、色々と考えていた。

「…………はぁ、これから何もないといいけど」

一番気にかかるのはカルロスだ。シャルルに接触してきたからどこかで仕掛けてくると思ったんだけど、何もアクションはない。街の方で学園を探っていたという人たちもいなくなったと楯無さんから報告を受けたし……。一昨日の接触はシャルルが男として活動しているかの確認だったのか……。それは違うと思うんだよな。だったら、自分から来る必要はない。何かを確認するためにここに来たんじゃないんだろうか。

正直、予想できないことだらけだ。だけど、仕掛けてくるとしたら明日の学年別トーナメントか。来るとしたらやっている途中じゃなくて、夜か?ううむ、いまいち分からんな。情報が少ないからどうも言えないな。とりあえず、明日用心することに越したことはない。

あと心配事は、ドイツからの転校生の理不尽さん―――もといラウラ・ボーデヴィッヒだな。月曜だってあんなことしたし、今回のトーナメントで要注意だな。色んな意味で。けど、今回は先生も監視役いるし何とかなるかな。

とりあえず、頭に入れておこう。今
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