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IS 〜インフィニット・ストラトス〜 日常を奪い去られた少年
第10話
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カルロスがIS学園を訪れ、早二日。学年別トーナメントを明日に控えた木曜日。俊吾は簪と最終打ち合わせをするために、アリーナで動きの確認をしていた。

「っと、こんなもんかな。簪さん、今日はもう終わろうか」

昨日から打鉄弐式の動作確認と立ち回りについての確認をしていた。今日はそれを全部踏まえた、確認作業をしている。

「打鉄の方の調子はどう?」

「問題ない……武装の方も出力も安定した数字が出てる」

「そっか……。じゃあ、完全に完成したわけだな」

「うん……俊吾くんが手伝ってくれなかったらこんなに早く完成しなかった……改めて、ありがとう」

「どういたしまして……って言えないか。こっちも貴重な体験をさせて貰ったし、お礼言うのはこっちかもしれないな」

「うん……それでも、私は俊吾くんに感謝してる」

「まぁ、この話は置いといて、そろそろ寮に戻ろうか」

時刻は六時を指していて、夕食を食べられる時間になっている。寮の門限は七時なので余裕はあるが早くもどるのに越したことはない。

「そうだね……じゃあ、着替えてから入口で合流しよ?」

「了解。じゃ、また後で」

俊吾は簪と反対の更衣室(男子用)に向かった。そこでISスーツの上に制服を来て、入口に向かう。更衣室にシャワー室を設けられているが、まだこの時期は暖かく動いてもそこまで汗をかかないので部屋まで浴びないように俊吾はしている。

少し早かったらしく、簪の姿はない。もしかしたら、シャワーを浴びているのかもしれない。俊吾は余っている時間で何か飲み物を買おうと自販機まで行く。

「ん〜、何か炭酸でも飲むかな……。あ、簪さんにも何か買っていったほうがいいか…………。といっても、何買おうか……。無難に紅茶でいいか」

飲み物を二つ持って、アリーナの入口に向かうとそこには簪の姿があった。

「あ、悪い。待たせちゃったみたいだな」

「別にそれはいいんだけど……どこに行ってたの?」

「ちょっと自販機にな。ほら、これ簪さんの」

俊吾は紅茶を簪に渡す。

「え、いいよ……何だか悪いし」

「もう買ってきちゃったから貰ってよ。あ、もし、紅茶嫌いなら無理しなくてもいいけど」

「紅茶は好きだよ……じゃあ、せめてお金は返させて」

「いいって。俺が勝手に買ってきたんだから」

俊吾は微笑みながら簪に紅茶を渡す。簪も抵抗しないでそれを受け取った。

「じゃ、戻るか」

二人は寮に歩きだした。

少しすると、簪がどこか緊張した声音で話し始める。

「ねぇ……俊吾くん」

「ん?簪さん、どうした?」

「私のこと……名前で呼んでくれない?」

「いや、名前で呼んでるだろ?」

最初の頃は緊張したけど今で
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