第四十四話 黄金の輝き
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ものだ。立ち振る舞い、位置の取り方、そして機体特性を完全に理解した上での機体との距離感。その総てが計算した上で立っている(実際には単なる勘であるのだが)。おそらくカガリの腕では――――――
「やるしかないッ!」
先制攻撃とばかりに高エネルギービーム砲を放つ。それを躱すルドルフのギャン。一気に彼は近づいてくる。勿論、持っている装備を見る限り明らかに接近戦が得意だと思えるギャンに距離を詰めさせるわけにはいかないとカガリは後ろに下がりながら距離を取る。加速する速度ではオオワシを装備しているアカツキの方が完全に上。そして、ギャンをビームライフルで迎撃する。
しかし、卓越した技量でビームライフルを防ぐ正面からシールドで防ぎきるルドルフ。逆にそのままシールドからニードルミサイルを放ち、アカツキを串刺しにしようとする。それをシールドで受け止めるカガリ。だが、それによって彼は接近戦を仕掛ける距離に入った。
「来るなら来い!」
双刀型ビームサーベルを抜き放ち、ギャンの格闘攻撃に備えるカガリ。だが、その判断は甘いと言わざる得ない。ギャンの真価は近接格闘でこそ最も輝くのだから。
『教えてやる、ここは僕の距離だ!』
そんなアカツキの気概を一蹴するかのようにギャンは突きを連続で放つ。一撃一撃が重く、必殺の威力を誇るギャンの突き。そんな攻撃をまともに受けるわけにはいかず、シールドで防いでいるものの、徐々に押し込まれていく。少しでも反撃をしようとビームサーベルを振りかぶるが、ギャンはシールドで受け止めて、逆にその隙をついてアカツキを斬りつける。
わき目もふらず放たれる怒涛の攻撃にカガリのアカツキはついに体勢を崩す。そして、ギャンは止めとばかりに上から振り下ろすが、カガリは此処で負けるわけにはいかないと蹴りを入れ、反作用で距離を置きながら高エネルギービーム砲を放つ。
『甘いぞ!今の僕は―――』
しかし、ルドルフのギャンはそれすら読んでいたかのようにシールドを正面に構えて突き進む。その力技にカガリは驚愕し、ギャンは一気にビームサーベルを放った。
『阿修羅すら凌駕する存在だッ!!』
◇
セイラン家保有のシャトルの一つに乗り込む準備を整える。アズラエルとジブリール―――彼らは今後の宇宙での戦いについて話を進める。
「しかし、地上の打倒ロゴスの感情が消えぬ限り、我々が月に逃げ込めば月の物資は忽ち干上がってしまう。それはどうするつもりなのだ、ジブリール?」
未だ影響力が大きいロゴスであろうとも、単独で月基地へと継続的に物資を送るようにすることは出来ない。いや、以前までなら可能であっただろうが、今の状況では不可能となっていたという事だ。
「フン、その程度の事を考えていないとでも思っているのか?」
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