第7話 遠山家の奥義
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なんじゃ!」
言い訳のごとく、かなめにすぐさま近づき、かなめの肩に手を置いて引き留める。
ちなみに、『返体』というのはヒステリアモードのことだ。
そしてさらに言葉を続ける。
「それに、かなめだって遠山を名乗るからには自在に『返体』なれなければ一人前にはなれんぞ! 確かに女子であるお前は、扱いを間違えれば弱くなってしまうが……キチンと使いこなせれば――」
「ちょっ、ちょっと待って爺ちゃん! 今の言い方だとまるで女性版のヒステリアモードのことを知っているような言い方だったけど……知ってるの?」
俺はかなめと爺ちゃんの会話にすかさず割り込む。
爺ちゃんは俺の問いに、ケロリと答えた。
「ああ、知っているよ」
「かなめのヒステリアモードが『弱くなる』ことも?」
「うむ。……しかしなキンジ。遠山の返体は一つだけではない。お前も何度か死線を越えて来たのなら経験があるんじゃないか?」
確かに、俺は何度かヒステリアモードの派生系である『ベルセ』や『メガルメンテ』、他にも『ワイズマン』などになったことがある。なので、かなめにも派生系が存在してもおかしくはない。
けれど――
「女性版ヒステリアモードは派生系も弱くなるんじゃないのか?」
「馬鹿者。女子の身体は、わしら男よりもデリケートなんじゃ。ゆえに、『返体』の数も多く存在する。……まあ、実際この目で見たことが無いから、よくは知らんがの」
その爺ちゃんの言葉を聞いたかなめは、
「あたしの中に……強くなるHSSの可能性がある……」
婆ちゃんに告げ口しに行くのも忘れて、爺ちゃんに言われたことを何ともいえない表情で呟いていた。
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