第7話 遠山家の奥義
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えて、後は見せるだけの方が覚えるのが早いんだ」
だいたい技を覚えるためだけに、いちいちヒステリアモードになっていたら倫理的に遠山家はやばい一族になってるだろう。
「まあ、一部は形や型なども教える技なんかもあるけどな」
ジーサード戦に使った『絶牢』なんかは、まさにそれだ。
「そうなの?」
「ああ。ちょっとだけ教えてやる」
なので、ついでにいくつかの型なんかも軽くかなめに20分ほど教えて、まだ教えてないのは今度教えることにし、今教えた奥義などをかなめがちゃんと覚えているか確認すると……
さすがは人工天才、俺が言ったことをちゃんと理解し覚えていた。
そして、
「ねぇ、お兄ちゃん。今度教えてもらう時は、お兄ちゃんの技も教えてよ」
「は? なんで俺の技を教えてほしいんだ?」
「だって、お兄ちゃんの技ほとんど見たことないんだもん」
かなめが唇を少し尖らしてそう言ってくる。
そういや、かなめの見てる前で俺ほとんどヒスって戦った事ないな。
「教えてるのいいが……ほとんど俺の技はヒステリアモード時でないと出来ないものばかりだから、かなめには使えるか分からないぞ?」
実際、同じ人口天才のサードもヒスらなきゃ使えんかったしな。
「それは分かってるよ。お兄ちゃんとサードって使ってる技の形がほとんど同じなんでしょ? なら、近くで見たことが何回かあるけど、見えないモノばかりだったよ」
「ならなんでだよ?」
「だからこそ、どうな技なのか知りたいんだよ。今の遠山家の技のように理屈だけでもね」
と、かなめは少し顔を曇らせながら話す。
……なるほど。
それだけで、今かなめが何を考え、今まで何を感じてきたのかが分かった。
いや、分かってしまった。
そう、この顔は何となくだが――かつての俺と似てる。
兄さんがアリアを殺すといった時の、どうしてだか分からなくて迷っていた時の俺に。
かなめは何回もサードが戦ってる姿を見てきてるはずだ。
しかし、同じ遠山家の遺伝子を持っているのに、どんな技かも分からない。
そのことが情けなくて、そして弱さを自分から言うようで怖くて聞けなかったんだろう。あの時のかなめは、サードに。
俺も兄さんがアリアを殺すって言ったあと、兄さんが何を言っているのか分からなかった。
アリアが強襲科で兄さんに襲われてる時、自分が弱くて情けないものだと感じた。
その時の鏡で見た時の顔に似ていたのだ。
そんな顔を見たら……
「……まあどういったものなのかを教えるくらいはいいけどな」
断ることなんか、出来るわけないじゃないか。
その俺の返事を聞き、かなめは嬉しそうに――
「お兄ちゃん……ありがとう」
そして、しおらしい笑顔になり、お
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