第三十八話 少年期【21】
[12/12]
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
子か。わかった、みんなには声をかけておくよ。紫の子だよな」
「……またそんな風に、変なあだ名みたいなのをつける」
呆れ顔を作られたが、俺は向こうの名前すらわからないのだから仕方がないだろう。それを言うとそれもそうかと向こうも納得したようだった。まぁ、知っていてもあえて呼ばないことはあるけどな。
「紫の子じゃなくて、メガーヌよ。覚えておいてあげて」
「メガ盛みたいな名前だな」
「本人が聞いたらさすがに怒られるわよ」
そんなことばっかり言っていたらモテないわよ、と小学生に小言を言われました。地味に傷ついたぞ。それからグラウンドに流れるアナウンスに耳を傾けながら、分かれ道でお互いに足を止める。自分の児童席に戻るために、俺たちはひらひらと手を振り合った。
「それじゃあ、また後でねアル」
「おう、クイントもな」
こうして始まった俺たちの初めての運動会。ドタバタの体育祭午前の部が終わりを迎えたのだった。
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ