第四十三話 運命の光
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「怯えろ!竦め!モビルスーツの性能を活かせないままに死んでいきな!!」
オレンジカラーのデスティニーはまるでオーブを裁きに来た悪魔のように映った。
◇
オーブに降下することの出来る衛星軌道上で二隻の艦が待機している。一隻には蛇のマークが描かれている傭兵サーペントテールの印。もう一隻はエターナルだ。
「キラ、本当に大丈夫なのでしょうか?」
キラがフリーダムに乗って落とされた時、怪我をしたと聞いている。そして、今回のオーブとの戦闘にラクス達やアークエンジェルが介入する危険性も承知していた。だが、それでもキラ達は戦うことを選んだ。カガリがアカツキで出たのは正体をばらさない為、アークエンジェルもムラサメ隊は出撃するが、ストライクルージュとアークエンジェルは出撃しない。
つまりは彼らは新型、或いはオーブ軍の機体で戦場に介入する。そうすることで自分たちの正体を表立っては隠すつもりだ。例えそれがばれているものだとしても、こちらが表立って言わない限り、そして物的証拠が存在しない限り、彼らが断定することはできない。
「責任を負う―――カガリさんはそう仰っていましたけど……それは、こういう事ですの?」
己の正体を明かさない。否、明かせない。それでもおそらく、戦闘が終了したらカガリはオーブに降り立つのだろう。だが、ザフトとの戦闘が終わるまではただの一個人の増援として現れるつもりでいるのだ。
そして、それが終われば――――――
「総てを背負って、罪を受け入れると―――そう仰るのですね」
彼女は自らの罪に背を向けないとそう断じたのだ。オーブを守った後、自らの罪を受け入れると。だったら、まずはその為にもオーブを守らなくてはならない。
『降下シークエンス、最終調整完了。いつでも行けます』
MSが降下していく。一つは降下ポッドだ。中には三機のMSが積まれており、予定ではオーブの地上に降下することになっている。そして二機のMSは自力で大気圏を突破していく。紅い機体と碧い機体。二機ともサーペントテールの二人が搭乗しているが、片方はそのまま戦場には向かわずアークエンジェルが待機している方に降りることになっている。彼にその新しい剣を届けるために。
「思いだけでも、力だけでも―――また、その両方を持ってしても平和を成すことが出来ないというのなら、私たちは平和を得るために何を得るべきなのか。今の私にもそれはわかりません。ですが、それを知ろうと思い、そして成し遂げようとするために歩むことを止めてはいけないのです」
そうして戦場は第二局面へと移行する。
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