第四十三話 運命の光
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サーベルを抜き放ち、デスティニーが斬りかかって来るがそれを受け止める。
『下がれッ!こいつはエースだ!!』
アロンダイトとビームサーベルが衝突する。相手のムラサメのパイロットは中々に優秀なのだろう。高速移動に幻影を発生させたデスティニーに対して攻撃を読み切り受け止めたのだ。しかし、それは悪手だった。
「悪いが、アロンダイトにそいつじゃ無理だ―――」
アロンダイトはビームコーティングが施されている対艦刀であり、ビームサーベルを受け止めることが出来た。そして、アロンダイトは質量、出力共にトップクラスの近接武器である。それが示す事、すなわち―――
『た、隊長ォ―――!?』
『管制塔!早く援護してくれよ!!』
アロンダイトによってムラサメのビームサーベルは押し切られ、真っ二つにされる。更にハイネはビームブーメランを一機のムラサメに向かって放ちそのまま沈める。だが、オーブもハイネの快進撃を止めんとするためにミサイルを放ってきた。
「こいつは!」
本来ならば本隊を止めるために使うのであったのだろう程の数。なるほど、相手はこちらを高く見積もっているらしい。そんなことを考えながら突破する方法を模索する。VPS装甲で防ぐ?否だ―――ミサイルを防げても、隙は生まれる。そうなれば今度はビームの猛射が襲い掛かる事だろう。
「迎撃か?チッ、弾幕兵器がCIWS位しか無いんじゃ無理かッ!」
ミサイルの数は多い。ビームライフルやCIWS程度では防ぎきれないだろう。だが、だからといって受けるわけにもいかない。回避も間に合わない。
「確証はないが、あれを使うしかないか?」
ヘブンズベースでのデストロイの戦いを思い出す。あの時、どうしてミサイルが撃墜された?理由があるはずだ。そう思い、一つの仮説を立てた。だが、その仮説が間違っていれば確実にデスティニーは落とされる。
「ハッ、どっちにしても落とされるなら、やらないよりやれるだけやってみるか!」
光の翼の出力を引き上げる。エネルギーを無理矢理供給する為、機体がオーバーヒートする可能性もあるが構っていられない。
「いくぜッ!!」
光の翼を展開させる。今まで以上の出力によって加速がこれまでと比べ大幅に上がり、一瞬その機動に意識が遠のきそうになる。だが、賭けは成功した。ミサイルは次々と爆発し、加速によって直線軌道上にあるミサイル以外を引き離す。
製作者たちがこのことについて黙っていたことに対しては少々苛立ちが浮かぶが、今は機体によって助けられたことに感謝した。
『う、嘘だろ!?』
『ミサイルを全部落としやがった……』
思わず後ずさるムラサメ隊。その様子を見てハイネは自軍の士気を上げるために、そして相手の士気を下げるために言う。
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