第四十三話 運命の光
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ける堅牢さである。となれば艦隊や弾薬を消耗させた上で攻めたてた方が有利だと相手の指揮官は判断したのだろう。そして、持続的にプレッシャーをかけることでオーブからロゴスを出さないようにする気なのだ。
故に、敵部隊の第二派に対するミサイルを現段階で放てば、その堅牢さを失うことになるやもしれないのだ。しかし、ミネルバのMS隊の脅威を知るトダカ等は決断する。今止めねばどのみち突破されることになると。
「いや、ミサイルを発射させろ。敵部隊の接近を許せばどのみちミサイルは落とされる。ならば相手の足を止めにかかるべきだ!」
トダカの判断に従い、管制官はミサイルを放つよう指示を送る。発射されるミサイル。そして近づくことを許さぬとばかりに敵のエースと思われるMSに襲い掛かる。しかし―――
「ミ、ミサイル―――全弾落とされましたッ!?」
「何だと!?」
ミサイルの攻撃が全弾迎撃されたという報告。それは現状のオーブにとって最悪の悲報とも言える。本来なら多数のMSを迎撃する為に用意されたミサイルを少数のMSに向けて放ったにも関わらず、それが総て、そしてごく短時間で撃ち落とされた。それは単純計算するなら敵のMSはその少数で大部隊と同等の戦力ということである。
「―――タケミカヅチを二時の方向に展開、逆にそちらの艦隊を下がらせろ。戦線を引き下げる。防衛ラインを第二次防衛ラインへと変更。急がせろ!相手はやすやすとは引き下がらせてくれんぞ!」
「はっ、はい!タケミカヅチ、二時の方向に展開―――その後、艦隊は二時の部隊から中心に後退せよ。防衛ラインを第二次防衛ラインへと変更する。繰り返す―――」
トダカ准将は戦線を後退させることを選ぶ。未だ戦線の多くは持ちこたえているが、突出した少数の敵部隊が後方から戦線を荒らすことになるだろう。ならば、そうなる前にこちらから一度戦線を崩して立て直す。戦線は相手に崩されるのと自ら崩すとでは大きな差を見せるのだから。
◇
時間は少し遡り、ラー・カイラムのMS部隊であるマーレとルドルフが出撃する直前、ミネルバでは待機要員と出撃要員に分けることがアスランから提案される。シンやレイも先日の戦いで特務隊のフェイスとなったが、先任であり指揮能力が最も高いだろうと判断されて未だにアスランが隊長のような役割を果たしていた。
「つまり、部隊を二つに分けて片方は待機ってこと?」
ルナマリアが提案された案がどういうものなのか自分なりに噛み砕いてこういう事かと尋ねるが、アスランは首を横に振って否定する。
「正確には四つに分ける事になる。先陣、後続、護衛、そしてロゴスの行動を警戒して待機の四つだ」
「じゃあアスラン。誰がどの組み分けになるんだ?」
ハイネがそう尋ねる。部隊の人数が
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