第零章 「グレン・ポッターと魔法の世界」〜Glen Potter and The Wizarding World〜
1話 Where am I? 「ここはどこだ?」
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驚いて目を見開くとはこういうことだろうか。
オレの目の前には、”鍋”がプカプカと宙に浮かんでいた。
いや、よく見ると浮かんでいるのは鍋だけではない。
おたま・・・フライパン・・・鍋のふた・・・まな板・・・スポンジ・・・フォーク・・・包丁・・って、危ないだろっ!
ともかくも、それらがみんな揃って宙をふわふわ漂いながら、オレの前を左から右へ流れていく。調理器具が1列になって行進していてる様はさながらパレードのようだ。
・・・オレは一体どこのファンタジーに迷い込んだろうだろうか。
・・・・・・。
・・・・・・。
考えてみても分からなかった。というか、目の前のパレードがシュール過ぎて考えることに集中できない。今度はティーカップとかスプーンとかが流れてくる。
「・・・・っく」
オレは手を伸ばして、ふわふわ浮かんでいるスプーンを掴もうと手を伸ばした。距離的にはすぐ掴めるものと思っていたのだが。
なんだか体がかたい。思ったように上手く動かせない。それでも懸命に伸ばし、視界に入った自分の手は、とても短く・・・小さかった。
『こら、グレン。引っ越しの邪魔をしちゃダメでしょう』
不意に女の声が聞こえたと思ったら、オレの視界が急上昇した。オレはその声の主に抱きかかえられていた。
頭を動かして、オレは自分を抱いている女の顔を覗き込む。髪がブロンズで目がブルーの色の外人だ。
『どうしたんだい?』
今度は別の場所から男の声がした。オレを抱える女が動き、今度はオレの視界に男が映った。
ボサボサの黒い髪に少し曲がった丸縁の眼鏡、しかし、こちらはなんだかどこかで見覚えがあるような気がする。
『あぁ、ジェームズ。グレンがいたずらっ子なのよ』
オレを抱えながら話す女の声色が楽し気に聞こえる。それを聞きながらオレは納得した。そうだ、この二人はオレの両親だ。この女の人には、昨日も抱かれたような覚えがある。
しかし、残念ながらオレはさっきから二人が言っている言葉を理解していなかった。
彼らの話している言葉は英語だ。しかもかなり流暢で、英語慣れしていないオレには精々1つか2つの単語を聞き取るだけで精一杯である。
『しょうがないな。グレンはわたしが見ているよ』
『えぇ、任せたわ』
オレは母親の手から父親の手へ受け渡された。そして、この腕にも抱かれた覚えがあるとオレは再確認した。
しかしどういうことだろうか。何故、知らない外人が自分の両親となっているのだろう。
父がオレを抱いたまま部屋を出た。その場所では調理器具以外のいろんな家具や道具が部屋の空中を動き回っていた。
オレは運ばれながらも興味深く周囲を観察した。
宙に漂う物たちは、みんな無造作
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