少年は剣の世界で城を上るようです 第一層
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俺達がフィールドに駆け出してから約2時間、イノシシとオオカミ+αの相手に流石に飽きた俺達は
最初のダンジョンに繰り出していた。
フィールドで稼いだコル(SAO内の通貨単位)で回復結晶でも買おうかと思ったのだが、アリアがこの状態。
店売りしていた片手剣・短剣・曲刀・大剣・槍・細剣・斧・戦槌と試し、とうとう最後の棍棒まで投げた。
渋々と言った感じで、一番使い易かったのであろう短剣を装備し直した。
「・・・・えい、えい、えい、えい、えい!」
「ちょっとシュウ、アリア怒ってるわよ。他に武器って無いの?」
「いやぁ……熟練度上げてったり何かしらしたらユニークスキル習得するらしいんだが。」
テンテンテロレロテンテンテン♪
「・・・・・・ん?」
「「ん?」」
俺とノワールが耳打ちし合う中、アリアが敵をドズドズ刺しまくっていたら聞き慣れない効果音が。
恐らくパーティを組んでいたから聞こえたのだろう。
メニューを開き何やら操作すると、腰に下げていた短剣が消え、両腰に見慣れた50cm程度の長方形が。
ま、まさか・・・・!?
「・・・"テッセン"だって。」
ふふん、と無表情のまま、しかし俺達から見たら得意気満面な感じで胸を張る。
開始3時間でユニークスキル持ちとかチートでしょうアリアさん。それとも茅場はロリコンなんですかね?
と、更に手に何やらアイテムを出すアリア。それを覗き込むとアリアが光り出し―――
「あ、アリア………?」
「・・・ん、わたし。」
「おお、すっかり忘れてた。ノワール、アイテムに手鏡ってあるだろ。」
「ちょっと……そういう大切な事は先に言いなさいよね。」
髪や瞳の色や身長はそのままに、見慣れた顔立ちになった。それを見て思い出した俺はノワールを促し、
俺達も手鏡を覗く。再度光に包まれると、ノワールは元の身長に戻った。
「ちょ、えぇぇええぇぇ〜〜〜〜!?私だけ大きくなっちゃったじゃない!仲間外れよぉ〜!!」
「そ、そんな事言われても……ああ、アリア。髪の色と瞳の色を俺が指定した数値に直せよ。
そんな中途半端な色合いは俺が許さな………って、頭撫でるのやめなさい。」
「・・・いや。」
こうして、俺達も晴れて現実の姿そのままとなり、SAOを駆け巡る事となった。
・・・そして、すっかり忘れていた。こんなナリの三人が固まっている所を他プレイヤーが見れば、
騒がれる事この上ないであろうと言うウザったい事実を。
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