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木ノ葉の里の大食い少女
第一部
第一章 純粋すぎるのもまた罪。
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向き直った。

「クリソツ、とはどういう意味だ」
「クリソツっていうのは……」
「クリソツの術って言うのは変化の術の異名だ。最先端の流行語なんだからちゃんと覚えろよ」
「……しょ、承知した。クリソツの術、か」

 説明しようとしたユヅルを遮り、マナは大真面目な顔で変な知識をはじめに注入した。冷静沈着で考えが読めない割には天然なところにつけこむのはやめた方がいいんじゃない、っていうかはじめも真顔で頷かないでよ、という突っ込みを溜息にして吐き出す。

「じゃー、最後の仕上げと行きますかっ行くぜはじめ、ユヅル、苺大福!」
「承知した!」
「任せて!」
「わんっ」

「じゃあ、行くぞ――食遁!」

 十二支の印のそのどれにも属さない、特殊で奇妙な印を結ぶ。はじめは水遁の印を結び、ユヅルは指先からチャクラ糸を迸らせた。

「水遁・水球(すいきゅう)!」

 はじめの両手のひらの間に生まれた水の球がゆらゆらと揺らめく。

「チャクラ弾の術!」

 マナの両目が見開かれて、蛇や猛禽類か何かのようなものへと変じる。口は大きく開いて、犬歯がずらりと覗いた。地面を蹴って跳ね上がった彼女は水の球をすっぽりと食べ、そしてそれからそれを吐き出した。
 吐き出された水の球が一直線にハッカを襲うも、そう簡単に倒されるハッカではない。地面を蹴って飛び上がったハッカは、不意に異変に気付いた。
 上空一帯がチャクラ糸で出来た網で覆われているのだ。

「なっ」

 ユヅルの指先から伸びるチャクラ糸が、上空でハッカを絡める。先ほどはマナとはじめの技に気を取られていて気付かなかったが――なるほど、上空へ避けるのは予想済みだったということか。

「水車輪の術!」

 水を纏った手裏剣が飛んで、ハッカのホルスターを切り落とした。ホルスターのファスナーも同時に切られ、中から忍具が飛び散る。
 その中でしゃりんと、鈴の音がした。 
 
 +

「合格だ」

 ハッカが手を叩いた。ゆったりと微笑みが口元に浮んでいる。

「大方は、箱の中身を見た後に三人でカマをかけあい、誰が持っているのか見当をつけて殴りあいをしていたが……いやはや、貴様らが例え“偶然”であるとはいえ仲間を信じて私へ向かってくるとは感動だ。一つだけ言わせて貰おう」

 偶然? ――え、この人知ってたの?
 ぽかんとするマナ達を見据えて、ハッカが言った。

「お前たち三人は少し判断を早まったな」
「「「え?」」」
「普通、狐者異の人間が食べ物を持っていたら、それは自分のか、拾ったものか、盗んだものかだ。それが小箱から出てきたと判断するにはまだ証拠が足りなさ過ぎたと思うぞ。まあそれが結果的にはお前たちを成功へと導いたわけだがな」

 私も修行が足
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