第二部
第一話
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戦っていたのは事実ですね」
俊司がそう答えると、なぜか勇儀は笑っていた。
「まあ、救世主についてはさておき、ここに何をしにきたんだい?」
「ここの拠点をつぶしにきたのよ。ただそれだけの話」
「あははっそれは頼もしいねぇ。なら、私達も協力させてもらおうか。人数不足で、いままで行動ができなかったんだ」
「私達?」
「ああ。ついて来てくれるかい?」
勇儀はそういうとどこかに向けて歩き始める。映姫たちも、何も言うことなく彼女についていった。
数分後、俊司達はある住宅地の中にある、ある空間になっていた。
外からは何も見えず死角になったこの場所は、隠れるにしてはちょうどいい場所だった。
「遅かったね勇儀」
「悪いねぇ。来客だよ」
「来客?」
「失礼します」
そう言って勇儀の後ろから現れた人々を見た瞬間、その場にいた4人の妖怪たちは顔を引きつっていた。
「これは……また濃い面子だねぇ」
「旧都にこれだけの人が集まるなんて、ちょっとした異変じゃない」
「今は異変の真っ只中よ」
「そう……ですね」
「あははっ」
勇儀は笑っていたが、周りはそれどころではないようだった。
「ここにいるのは、伊吹萃香・水橋パルスィ・黒谷ヤマメ・キスメ・そして星熊勇儀の五人ですか?」
「正確には六人よ」
「六人?」
「そこ」
そう言ってパルスィが指を刺した場所には、さっきまでいなかったはずの少女が立っていた。
「なんかおもしろそうだったから、出てきちゃった」
「古明地こいしですか」
「地霊殿から抜けてこられたのは彼女だけなんだよ。ほかの妖怪は捕まってるらしくってねぇ」
「なるほど、それで地霊殿が拠点化してるってことかい」
「そういうことさ」
妖怪達がつかまっているということは、地霊殿の主であるさとりも思い切った行動ができずにいるのだろう。こいしだけが脱出できたのは、無意識で敵から見えなくなっていたからだろう。
となると、チップの犠牲者になっているのは、地霊殿にいるある程度の実力者であるにちがいない。一筋縄ではいかないはずだろうと、俊司は考えていた。
「ところで、どうやってあの拠点を落とすつもりなんだい? 結構問題があるんだけどさ」
「問題?」
「まず地霊殿にいる妖怪は、人質として捕らえられてるってこと。私らもそのせいで迂闊な行動ができなくてねぇ」
「二つ目は私達の能力がまるで通じないってことね。ヤマメの感染症は、相手に名医がいるらしく通じない。それに、誰の能力も受け付けない人間もいるわ」
「私もそいつにだけは見つかっち
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