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東方攻勢録
第二部
第一話
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える時間ではない。俊司達はあたりに注意しながらゆっくりと先に進んでいった。








旧都 ある場所


「どうだい萃香?あいつらの動きは」

「相変わらずだねぇ。突撃したら負ける気はしないけど、何せあっちには人質がいるもんだしねぇ」

「感染症も効かなかったもんね。どんな名医がいるんだろうなぁ」

「何でも直せる医者ね。才能持ち……」

「あの……顔が怖いですよ、パルスィさん」


ある建物の影では、五人の妖怪たちが会話をしていた。


「何もでないまま時間だけがたってる……どうしたらいいんでしょう?」

「それがわかれば、ここにいる必要はないんだがねぇ」

「そう……ですね」

「それはどうでもいいけど、誰かきてるわよ」

「確かにそうだね。どれ、ちょっと様子でも見てくるかな」


そう言って一本角を持つ鬼は、建物の屋根を伝って走り始めた。






そのころ、俊司達は旧都の住宅地のような場所に到着していた。


「やはり誰もいませんね」

「革命軍がきて占領した際、連れて行ってしまったんでしょう。それにしても、あれだけの荒くれものがすんでいたはずなのに、占領されてしまうとは」

「革命軍は力は弱くても、数と連携でそれを補います。それに能力が加われば……荒くれものの集団であっても太刀打ちができなくなるんじゃないでしょうか」

「外の戦いってのはそんなもんばっかりなのかい?まあ、仕方ないとは思うけどね」

「一度根性たたきなおしたほうがいいんじゃないの? 手伝ってあげようか?」

「洒落になってませんよ。幽香さん」

「面白そうだもの」


そういって幽香が浮かべた笑みは、怖いだけではいいあらわせないほど奇妙な笑みだった。


「それはそうと、誰か近づいてくるわよ?」

「何人ですか?」

「一人ね。それに、あいつらじゃない」

「なら大丈夫でしょう」

「おやおや、誰かと思えば閻魔様のご一行ですか?」


そう行って映姫達の前に飛び降りてきたのは、一本角の鬼だった。


「星熊勇儀ですね」

「そうさ。ああ、先に言っとくけど、変なチップみたいなのはくっついてないからね」

「あれを知ってるということは、つけられている人がいるというわけですね?」

「まあね」


そういって、勇儀は悲しそうな笑みを浮かべた。


「ところで、珍しい面子だねぇ。閻魔様と死神、花の妖怪に毒使いに……あんたも、ただの亡霊じゃないね」

「彼は元外来人の亡霊です」

「なるほど。つまり、地上で救世主になってた外来人ってのは君のことかな」

「救世主は言いすぎだと思いますが……地上で
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