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銀河英雄伝説〜悪夢編
第十七話 お前、今何を言ったか分かっているのか?
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、不本意ではあろうが無関係で済む話ではない。

「ブラウンシュバイク公、我らは公に対して有る疑いを抱いている」
「……」
「説明の必要が有るかな?」
国務尚書の問い掛けにブラウンシュバイク公が首を横に振った。

「……いや、無い。しかしわしは何の関わりも無い、それだけは明言しておく」
「そうであって欲しいものだ。いやそうでなければならぬ。陛下の女婿である公が反逆者だなどと陛下がどれほどお悲しみになるか」
ブラウンシュバイク公が唇を噛み締めた。

「陛下に御目にかかりたい。身の潔白を証明する機会を頂きたい!」
「残念だがそれは許されぬ」
「国務尚書!」
ブラウンシュバイク公が一歩詰め寄ったが国務尚書は首を振って拒絶を意思表示した。

「既にこの件は陛下に奏上した。陛下は例えブラウンシュバイク公でも反逆は許されぬと仰せられた。この件の調査が終わり身の潔白が証明されるまで屋敷にて謹慎せよ、出仕には及ばぬとの仰せだ」
「……なんと……」
「確かに陛下の御言葉を伝えましたぞ、ブラウンシュバイク公。屋敷にて謹慎されよ。間違っても貴族達を呼んで謀議を行っている、そのような疑いを我らに抱かせぬ事だ、宜しいな」
「……」


ブラウンシュバイク公は悄然として執務室を出た。今頃はフレーゲル男爵達を呪っているだろう。
「危うい所であったが切り抜けたか」
「そのようですな」
「しかしフレーゲル男爵達を拘束とは……、いささか厳しいの」
「元々貴族には良い感情を持っておりますまい。両親の事も有ります」
「なるほど、少々気になるの。まあ野心はそれほど無いか」
国務尚書と軍務尚書が話している。

「ヴァレンシュタインが悲鳴を上げております。グリンメルスハウゼン元帥ですが、やはり遠征軍の総司令官は難しいですな。部下の統率力が皆無に等しい。クライスト、ヴァルテンベルクも総司令官がグリンメルスハウゼンでなければ今回の様な事はしなかった可能性が有ります」
私の言葉に皆が顔を顰めた。“またか”とは誰も言わない。あの老人がどうにもならない事は皆が分かっている。

「しかし他に人が居らん、どうしようもあるまい。何か良い手が有るかな」
「それが有れば苦労はせんよ、シュタインホフ元帥」
私とシュタインホフ元帥の会話に軍務尚書が溜息を吐いた。まったくどうにもならない。馬鹿を担ぐのがどれだけ大変かは私も若い頃多少の経験が有る、これほど酷くは無いが……。

「グリンメルスハウゼンは動かせぬ。ヴァレンシュタインを上級大将に昇進、それでは無理かな。平民では異例であるが」
「……年が若いですからな、侮る者はいるでしょう」
私の答えに国務尚書が二度、三度と頷いた。

「となると今回の軍法会議、あの若者が強硬に処罰を主張した、そういう形にする
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