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銀河英雄伝説〜悪夢編
第十七話 お前、今何を言ったか分かっているのか?
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「なるほど、この一件裏に居るのはブラウンシュバイク公ですか。クライストとヴァルテンベルクの両名を遠征軍に加えたのは公爵でしたね。そして貴方達を使って命令違反を犯させ遠征軍を敗北させようとした」
「な、何を言っているのだ」
眼が飛び出しそうになっている。フレーゲル男爵だけじゃない、他の七人もだ。

「隠さなくても良いでしょう。狙いは軍の権威の失墜、そういう事ですか。先日の皇帝陛下御不例、あれ以来軍の存在が目障りだというのですね。しかしこれは反逆罪ですよ、例えブラウンシュバイク公といえども許される事ではない」
「ち、違う、そんな……」
もう遅いんだよ。クライストとヴァルテンベルクの顔は蒼白どころか土気色だ。今度こそ助からない、そう思ったのだろう。

「拘束が終わったらそれぞれ個別に部屋に監禁しなさい。一切外部、並びに彼ら同士の接触は許しません。これを犯すものは何者と言えどその場で拘束しなさい、抵抗した場合は射殺する事を許します」
「はっ」
陸戦隊が答えたが大丈夫かな、こいつら皆蒼白なんだが。いや陸戦隊だけじゃないか、艦橋に居る人間皆が蒼白になっている。

艦橋から連れ出される連中を見ていたが溜息が出た。馬鹿八人衆が最後まで見苦しく騒いでいた。クライスト、ヴァルテンベルクはもう終わりだな。問題は馬鹿八人衆と親玉のブラウンシュバイク公だ。リヒテンラーデ侯と帝国軍三長官がどう出るか……。取り潰しは無理だろうがそれなりの処罰はするだろう。どんな形で決着が着くのか、御手並み拝見だ。

さてと、クライスト、ヴァルテンベルクの艦隊の掌握をしなくてはならん。幸い参謀連中は沢山連れてきた。それぞれ五名ほど送るとするか。あの二人の艦隊司令部の制圧をするとなると陸戦隊の護衛が必要になるな。抵抗はしないと思うが念のためだ。司令部の連中も拘束した方が良いかな? 一応そうしておくか、積極的にあの馬鹿共に協力した奴もいるかもしれん。

その後はグリンメルスハウゼン老人に報告だな、こいつが一番厄介だろう。ああ、その前にオーディンに一報入れておいた方が良いな。全部終わったらタンクベッド睡眠でもとるか、少し疲れたわ……。敵ばっかりで味方なんて居ないんだから……。



帝国暦 487年 1月 4日  オーディン  新無憂宮  グレゴール・フォン・ミュッケンベルガー



国務尚書の執務室に四人の男が集まった。国務尚書リヒテンラーデ侯、そして帝国軍三長官。時刻は二十二時を僅かに過ぎている。誰も口を開こうとはしない、無言で五番目の男を待っている。その男が国務尚書の執務室に入って来たのは予定の時間、二十二時を十分程過ぎてからだった。おそらくはわざとだろう。

「遅くなって申し訳ない」
「いや、夜遅くに公を呼んだのは我ら。公がお気になされるこ
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