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ネギまとガンツと俺
第11話「迷子」
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う女の子が迷子ですーーー! 親御さんはいませんかーーーー!? マユという名前です!!」

 全力で叫ぶ。

 大声が広がるにも関わらず大半の人間の反応は無関心。反応があってもそれはタケルが望むような好ましい反応ではなく、クスクスという笑い声や小馬鹿にしたような笑いが聞こえるだけ。タケルはそれには気付かない、というよりも気にしている余裕がないのだろう。少しでも反応がないか行きかう人々に目を凝らす。

 だが、反応はない。

 ――もう、一度。息を吸い込み、そしてまた。

「マユという女の子が迷子ですーーー! 親御さんはいませんかーーーー!? マユという名前です!!」

 ……やはり、反応はない。

 これを何度か繰り返すが、応答はない。ということは、ここら辺にはいないのだろう。

「――交番、か」

 相変わらず耳を塞いでいるマユの健気な姿にタケルは少しだけ表情を和らげて肩を叩く。

「お母さんを探してくれる所に行こうか」
「……うん」

 タケルなりに精一杯優しく伝えた言葉。

 それが効いたのか、少女はタケルのズボンの掴み、頷いたのだった。




 原宿。

 太陽が優しく日を浴びせ、街を歩く人を自然に元気付ける。ときどき、思い出したかのように植林されている木々は存分に深緑の色を視界に溶け込ませて、より一層の柔らかい空気を作り出す。

 忙しそうに携帯と話すサラリーマン、夫と楽しそうに歩く奥さん。男同士で馬鹿笑いをあげる若者。
休日であることもあり、いつもよりも多様な人々が行き交うこの街中を3−Aの三人の女性徒が歩いていた。

「やっほ〜、いい天気」

 椎名 桜子が気持ちよさそうに背筋を伸ばす。

「んー、ホント」

 柿崎 美砂と頷く。

「ほにゃらば早速カラオケ行くよ〜」
「よ〜し、歌っちゃうよいくらでも!」
「こらこら違うでしょ」

 釘宮 円が暴走しかけている友人たちを止める。

 彼女達はチアリーディング部所属で、いわゆるチアリーダーズというヤツだ。

「今日は明後日からの修学旅行に自由行動日で着る服を――」

 ウンタラカンタラと言葉を続ける釘宮だったがいつの間にか二人がいないことに気付く。

「ゴーヤクレープ一丁」
「あ、私も」

 いつの間にかクレープ屋に飛びついていた二人に「話聞けー、そこのバカ二人!」

「もう、怒った。私も食べる」

 なんとも賑やかに街を歩く彼女達だったが、ある一行をみて、その動きを止めた。

「ちょ、ちょっとアレ、ネギ君とこのかじゃない!?」
「ホントだー、こんなところで何やってんだろ」

 物陰に隠れて見つめる。

「これなんかどやろ、ネギ君」
「あーいいですねー。可
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