暁 〜小説投稿サイト〜
箱庭に流れる旋律
歌い手、ギフトについて知る
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その力を乱用してしまったのだ。その結果、魔王に落ち、コミュニティもろとも滅ぼされた。ここまで言えば分かるか?」
「はい。もし仮に“主催者権限”を得たとしても、そんなことにはならないよう、覚悟しておけってことですか?」
「そうだ。分かったな?」
「了解です。それさえ守れれば、同志を集めてもいいですか?」

 まあ、僕もその人と同じギフトを持ってるからね。おんなじことを思うわけですよ。

「構わんよ。いつか、おんしらが奏でる音楽を聞かせてくれ」
「ええ。ご予約、承りました」

 そうして、僕はサウザンドアイズを出て、白夜叉さんに渡された地図を頼りに“ノーネーム”の本拠に向かった。



♪♪♪



「さて、着いたはいいが・・・広いな、こりゃ・・・」

 入っていっても迷いそうだったので、入り口でどうしようか悩んでいます。
 外で寝たら風邪ひくかもだし・・・物騒だからな・・・誰かいるといいんだけど・・・

「あの、貴方が奏様でしょうか?」

 そんなことを考えていたら、少し低めのところから声が聞こえた。
 その呼び方に一瞬ビクッとすると、どうにかして落ち着きを取り戻し、返事を返す。

「うん、僕が天歌奏だけど、君はここの子?」
「はい!リリと申します。黒ウサギのお姉ちゃんに言われて奏様を」
「ゴメン、ちょっといいかな?」
「?」

 多分、この子は自分よりも立場が上だから様付けで呼んでいるんだろう。
 だからそこに含むところはないんだろうけど・・・

「ちょっと昔トラウマがあってね・・・様付けは止めてもらえないかな?」

 そう提案させてもらう。
 まあ、トラウマといってもそこまで複雑なことがあったわけではない。
 ただ、ちょっと怖いくらいのファンがいたというだけだ。

「そうですか・・・分かりました!では、奏さんと呼ばせてもらいますね!」
「うん、それでよろしく、リリちゃん」

 にしてもこの子、コロコロと表情が変わるな・・・何この可愛い生物。
 感情に合わせて二尾の尻尾も狐耳もパタパタ動いてるし・・・
 すっごく頭撫でたくなるな・・・

「ふみゅう・・・」
「・・・はっ!」

 気付かない間に頭撫でてた・・・

「ゴメン、つい撫でたくなって・・・」
「いえ、大丈夫ですよ。では、ご案内しますね!」
「じゃあ、よろしくっと」

 そう言いながら、僕はリリちゃんを抱き上げる。

「え、奏さん!?」
「いいから、大人しくしてなさい。もうこんな時間だし、眠気もあるでしょ?」

 まあ、それだけじゃないんだけどね。その辺の草むらとかから怪しい気配を案じるし、こうしておかないと、リリちゃんにも音が響いちゃうからね。

 さて、音をあの草むらに集
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