暁 〜小説投稿サイト〜
箱庭に流れる旋律
歌い手、幻獣に出会う
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満ちていて・・・もうそれ以上の反論が出来なくなった。

 そして、僕たちが大人しく見守ることをを決めると、春日部さんがグリフォンの背に跨る。どうやら、勝負をするに値すると認められたようだ。
そして、春日部さんを乗せたグリフォンは、そのまま山脈に向かって飛んで、いや、駆けて行った。



♪♪♪



 結果として、ゲームは春日部さんの勝利で終わった。
 最後に春日部さんがグリフォンから落ちたときにはどうなるかと思ったけど、春日部さんが風をまとって浮き、安全に着地して安心した。
 春日部さんいわく、友達になった動物から、その動物のギフトをもらえるものらしく、風をまとったのはグリフォンのギフトをもらったらしい。

 そして、春日部さんの持つギフトがお父さんから貰った木彫りのおかげらしく、それを見た白夜叉さんが驚いたりして、今に至る。

「ところで白夜叉様、今日は鑑定をお願いしたかったのですが」

 黒ウサギさんがそう切り出すと、白夜叉さんはゲッ、と気まずそうな顔になる。

「よ、よりにもよってギフト鑑定か・・・専門外もいいところなんじゃが・・・」

 それじゃあ、もう今日ここに来た意味がないじゃん。
 そして、あの気まずそうな顔からすると、ギフトゲームの賞品に依頼を引き受けるつもりだったんだろうか?

「どれどれ・・・ふむふむ・・・」

 こんなことを言ってるときって、大抵何にも分かってないよね。

「三人とも素養が高いことは分かるが・・・なんとも言えんな。おんしらは自分のギフトをどの程度把握している?」
「企業秘密」
「右に同じ」
「以下同文」
「全然知りません」
「うおおおおおい?これでは話が進まんだろう。それに、唯一まともに答えたおんしもそれでは意味がないだろう」

 すいません、聞かれたのに何にも答えられなかったり、答える気がないやつらばっかりで。
 本当に、この問題児達は・・・

「別に鑑定なんていらねえよ。人に値札貼られるのは趣味じゃねえしな」

 う・・・これは僕も逆廻君に賛成だ。勝手に自分のことを決め付けられるのは、気分のいいものじゃない。
 それに、中には怖い人も・・・思い出すのは止めよう。

 白夜叉さんはしばらく困ったように頭を掻いていたが、突然いい案が思いついたようににやりと笑い、

「なんにせよ、主催者として、試練をクリアしたおんしらには恩恵を与えねばならん。ちょいと贅沢な代物だがコミュニティ復興の前祝だ。受け取るがよい。」

 そういって柏手を打つ。

すると、僕たちの目の前に光り輝くカードが現れる。

 コバルトブルーのカード逆廻十六夜・ギフトネーム“正体不明(コードアンノウン)
 ワインレッドのカードに久遠飛鳥・ギフトネ
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