第一部
第一章 純粋すぎるのもまた罪。
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ただきます」といったり「ごちそうさま」といったりすることは教えていないし、また拾い食いや、無銭飲食はだめだとも教えていない。まあ火影にしてみれば一般人が食べないものをマナの頭に叩き込むだけで精一杯だったのだろう
「あっりがっとさん!」
ニコニコ笑うマナは包みを開けて、桜色の飴玉を口の中に放り込んだ。そして呟く。
「……サクラの髪もさ、こんな味すんの?」
「しっししししないわよ! 食べないでよね!」
素早く己の桜色の髪を手で庇うサクラ。何を隠そう、マナには以前くノ一クラスにいた赤い髪の生徒の髪を指差し、「りんご!」と叫ぶなりそれを咥えて長いその髪を短く千切ってしまったことがあるのだ。サクラをいじめていたその子は以降マナを恐れ、マナと共にいるサクラやいのを恐れるようになっていた。まあ当たり前だろう。
想い人たるサスケは長い髪の女の子がすきだと聞いて、いのと共に必死に伸ばしてきた髪をこんなところで切ってしまうわけにはいけない。毎日毎日ちゃんと手入れしている自慢の髪なのだ。それがマナに食われてショートカットに後戻りとか絶対ごめんである。
「マナ、今日も授業サボったんだって?」
チョウジがポテチを咀嚼しながら聞いた。くノ一クラスの先生がカンカンに怒って教室に怒鳴り込み、「秋道チョウジはいますか!?」と聞いてきたのだ。わけわからんという顔のチョウジにその先生は鬼の形相で近寄ってきて某カレーが有名なお店の店長がマナが無銭飲食をしたということを告げてきたなどとまくし立てた。要するに先生は、いつも食べ物を持っているチョウジのところにマナが来ているのではないかと想ったらしい。実際その時のマナは体中の点穴をつかれてテンテンに介抱され、熱血師弟二人のやりとりをぐったりと倒れつつ看ているところだった。
「しかも無銭飲食したんだってな」
シカマルもポテチを食べつつ言う。いのとサクラもそのことを思い出したのか、溜息をついた。どうやらマナのこのようなことについては半ば諦めているらしい。「だってお腹空かしたマナがじっと座ってられるわけないでしょ」、というのが彼女達の言い分だが、確かにそうだ。
「えーだって、お腹空いてたし。下忍になってる先輩に感謝されたぜ」
下忍になってる先輩を投げ飛ばしたとは言わない。下忍になってる先輩に点穴をつかれまくったとも言わない。
「そーいやナルトに聞いたけど、お前今月の生活費も食費も零なのか?」
「電気も水もとめられやがったぜこんちくしょーめ」
そう言えばくノ一クラスとの始めての合同授業でのイルカ先生からのありがたい教えは、確か「働かざるもの食うべからず」と「マナの真似はしないように」だったような気がする。
シカマルとマナが出会ったのは、マナがよくチョウジに付きまと
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