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木ノ葉の里の大食い少女
第一部
第一章 純粋すぎるのもまた罪。
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を使用するのも、こういったとき――つまり、食べ物絡みの時――だけだ。チャクラコントロールにしろ、食べ物絡みのときだけ妙に上手くなる。手早く風呂敷を解いて、シカマルの昼ごはんを食べにかかったマナに試しにクナイを投げてみるが、マナは僅かに頭を逸らしただけでそれを避けた。まあ、もとより食べ物絡みの状態のマナにクナイが当たるとは思っていないが。

「ん〜っ、ヨシノさんのご飯は絶品だなあ!」

 嬉しそうにご飯を咀嚼するマナに、シカマルのお腹がぐうと鳴った。このまま家に帰れば「あら、今日はめんどくさがらずに全部食べたのね」と母ヨシノが嬉しそうな顔をするだろうが、だからといって自分が空腹になっていいわけじゃない。しかし取り返すのもめんどくさい。そう思っていると、

「もう、マナ! やめなさいってば。あんたの弁当はこっち!」

 シカマルの強気な幼馴染の声を聞いたマナの顔が明るく輝き、手から弁当が落下した。慌ててそれを受け止めようとしていると、弁当と中身が分離し、中身が口内に詰め込まれる。咀嚼することすら出来ずに噎せ返っているシカマルを他所に、マナは山中いのと春野サクラの元に駆け寄った。
 くノ一クラス内で、いの率いるグループは当番制でマナの弁当(もしくはマナの被害にあった者へ渡す弁当)をつくることになっている。最初は狐者異一族の少女と聞いて、アカデミーの机や椅子が被害にあうよりはと親がつくってくれていたのだが、いつの間にか子供たちが自分で作り始めるようになっていた。

「うっわー! すげー、すげー、マジ美味しそう! いっただっきます!」
「一応私の自信作なんだから、ちゃんと食べなさいよね」

 と言ってサクラが腰に両手を当てる。一方自分の弁当を食べ終わったチョウジは、食べ物を詰まらせて窒息寸前のシカマルの手助けをしている真っ最中だった。

「まー、デコりんの自信作なんて本気を出した私の半分くらいしかないけどね〜?」
「っなんですってえイノブタ!」

 そんな二人のやり取りには一切興味を示さず、ぱくぱくとマナは弁当の中身を口の中へと詰め込んでゆく。その姿は実に豪快だ。その後ろではシカマルの手助けをし終えたチョウジが、シカマルと共にポテチを食べ始めている。

「ごっちそーさま!」
「今日はちゃんとごちそうさまといただきます言ったのね。ほら、いい子いい子〜」
「じゃあご褒美ね。このアメちゃん食べる?」
「食べる!」

 どうやらいのとサクラはマナの飼育係であるらしい。頭を撫でられ餌付けされて、そのシーンだけ見れば小柄なマナはまるで愛玩動物のように可愛らしい。
 ただまあ、これでマナの躾がよくなってきていることは確かだろう。三代目火影はマナに有毒の植物やら昆虫やら一般人は食わない動物などの教育に全力を注ぎ込んではいたが、「い
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