第一部
第一章 純粋すぎるのもまた罪。
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ミ箱漁りを決意してたらなんとなんと、イルカ先生さまとドベの笑い声とラーメンの匂い! っこぉおおれぇええがぁああ、我慢でっきるくぁああ!?」
ばん! と涙目になりながら拳でカウンターを叩くマナに、イルカもナルトも言葉が出ない。生活費を全部食費に回して、それで電気と水がとめられた、だと? こいつどんだけ大食いなんだ。そんな突っ込みを心内でしてから――
「マナちゃん、それマナちゃんが悪いと思うよぉ」
一楽の看板娘、アヤメからの突っ込みに、そうだよなー、とぼやいてから、「でも一族遺伝の体質だから仕方ないさ!」と開き直って言い訳する。
「言い訳すんな! おれのラーメンどうしてくれんだってばよ!」
「イルカせんせー、お願いしまーす」
「っちょ、オイ!」
更に三碗のラーメンが出され、ナルトとマナ、それぞれ男子と女子のドベである二人は嬉々として箸を手に取り、ラーメンをずるずると吸いだした。テウチと苦笑しつつ、イルカも箸を割る。
そしてナルトとイルカの三倍のスピードでラーメンを食べ終えたマナが、頬杖をつきながら呟くように言った。
「アタシ、チョウジの嫁になろうかなぁー」
「「っぶ!」」
思わぬ一言に思わず噎せ返るナルト及びイルカ。だってさあ、と頬杖をつく手をかえるマナは何故か物憂げだ。
「秋道一族ってさ、食いしん坊ばっかなんだろ? それに金持ちだし」
「……チョウジが食いしん坊ならマナはなんなんだってば……つーかマナ明らかにそんなこと言える資格ねえ!」
「だからさ、秋道一族にはたっくさんの食い物があるんだろ? で、もしチョウジの嫁になれたら食えるもの一杯あんじゃん」
クラスの女子どもがサスケサスケ言っているのを見ていると、「あんな奴のどこがいいんだよ!」とばかり思うが、マナが食い物食い物言っているのを見ると、サスケサスケ騒いでいる方がまだマシにも思えてくるから不思議だ。女子どもがサスケサスケいったところでこちらには何の被害も及ぼさないのに対し、マナが食い物食い物言って他人の弁当を掻っ攫いに来たら被害は甚大だから、ということもあるかもしれない。
「それにさ、チョウジって美味しそうだよな」
「「っっぶ!」」
再び噎せ返ってから、イルカもナルトもあきれ果てた顔をする。
普通、人への外見の評価は「綺麗」「整った顔」「絶世の美女」「イケメン」「醜い」「看るに耐えない」「残念なイケメン」等と様々な形容詞が出てくるのだが、マナの場合は単純だ。「美味しそう」か「不味そう」、この二つしかないのである。
「シカマルの嫁でもよさそうだよな。あいつんち鹿一杯飼ってるぽいっし。角は薬の研究に一族にやっといて、肉の方はアタシがいただくとか」
人への評価も、「いい人」「お人よし」「付き合いたい」
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