崑崙の章
第19話 「一つ、我らは民の笑顔ために!」
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赦なく罷免する。その覚悟を持って事に当たれ!」
「「「ハッ!」」」
「私は就任の挨拶として、主から伝えられた標語を皆に与える。皆、辛い時はこの言葉を胸に職務を全うするように心がけてもらいたい……これから言う言葉を復唱せよ!」
「「「ハッ!」」」
「一つ、我らは民の笑顔ために!」
「「「一つ、我らは民の笑顔ために!」」」
「一つ、正しき者には優しさを、罪を犯せし者には厳しさを!」
「「「一つ、正しき者には優しさを、罪を犯せし者には厳しさを!」」」
「一つ、民の顔こそ自らの行いの鏡である!」
「「「一つ、民の顔こそ自らの行いの鏡である!」」」
「以上、心に秘めて職務を全うせよ! 期待している!」
「「「ハッ!!!」」」
この日より。
漢中の名は、『大陸一安全な街』と呼ばれるようになっていくのである。
―― 鳳統 side ――
「……ということです。これらの人員は、全て街中の警護と問題の解決に当たることになります」
「ふわぁ……すごいねえ」
「うむ……兵の、いや警官、だったか。顔つきがまるで違うな」
「うんうん。鈴々も圧倒されそうな気合なのだ!」
私が新たに設立された漢中の警備専門組織、『警官』の説明と共に、その担当となる面々を、城の二階から説明している。
その説明を聞きつつ、眼下に見える広間に集った千人余の表情と、その気合を受けて。
説明を聞いていた桃香様、愛紗さん、鈴々ちゃんが声を上げた。
「朱里ちゃんの言葉通り、この人たちは馬正さんを含めて我々三人で綿密に選抜しました。これを試験実施として漢中で行い、最終的には上庸や巴中などの他の街でも施行する予定です」
「うむ……確かに。街の人々も、賊の討伐などで主力が街を離れている間でも安全ならば、彼らの人心も安定するだろうな」
愛紗さんは、しきりに頷いている。
「もちろんですが、戦時はこれとは別に駐在兵も残します。農邑など、漢中以外での巡視も必要になりますから。ただ、街の中に留守居の警備兵が置かなくて済む分、統制のとれた監督ができるはずです」
「いつも悪いことするやつを見張っている人がいるなら、悪いことを考える人も減ると思うのだ。鈴々は、大賛成なのだ」
鈴々ちゃんは、無邪気に笑っている
「なお、これにより警備の人員を固定することで、人事と治安維持の効率化を図ります。予測では良い結果になるとは思いますが……」
「うん。誰よりも、街に住む人の負担にならないようにしてくれるなら問題ないよ。私達だけじゃ手が回らない場所でも、決まった人がちゃんと見てくれるなら意見も出やすいと思うし」
桃香様は、そう言って微笑む。
「もちろん、今後も皆さんによる見回りはしていただきます。警
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