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Fate/stay night -the last fencer-
第二部
聖杯戦争、始動
早すぎる終わり ─前哨戦─
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だけの奴に、わざわざ追い討ちかけてまで殺す必要はない。
たとえ人間から吸血、吸精、吸魂を行ったところで、アレはもう再起不能だ。
既に死んでいるに等しい奴にトドメを刺すなんて、それは死人に攻撃するのと何が違う。
死者に鞭打つなんて、相手を尊重し自分に尊厳がある者なら、絶対にやらない最低な行為だ。
「……陽も沈んだな」
「そうねぇ。今夜はどうするの?」
「んー……気分じゃない。適当に夜回りして適当に切り上げていいぞ」
これから敵を探しに行って『さぁ一戦』という気分にはなれない。
俺もフェンサーも大した消耗はないが、今日はもう休みたい気分だった。
「晩飯はどうする?」
「んー、今日は要らない」
「食糧要求型サーヴァントが、珍しい」
「何よそれ。昨日みたいな出来合いを食べさせられるなら、初めから食べない方がマシよ。そもそも、サーヴァントには睡眠と食事は不要だもの」
「そりゃそうだ。ま、要らないなら要らないで、俺は構わないけどな」
昨日はゆっくり夕食を作るような余裕はなかった。
簡単に作れるもので夕飯を用意したのだが、どうやらお気に召さなかったらしい。
犬小屋発言からわかっていたが、生前はそれなりに贅沢な生活をしてたのではないだろうか。
まあそれにしたって昨日は手を抜きすぎたのかもしれない。
その代わりといってはなんだが、今日は気合を入れて料理をしようと思っていた。
実は一昨日に見た夢のせいで、俺自身あの料理が食べたくて仕方がない。
昨日は作れなかったので、今日に作ろうと献立を用意していたのだ。
「しゃあない。今日の晩御飯、ビーフストロガノフは一人寂しく食べるとしよう」
「…………なんですって?」
「晩飯要らないんだろ? 飯抜きで夜回りご苦労様です」
「……………………」
なんという珍妙な顔。
痛恨の一撃を食らったような顔をしている。
いや、逆に会心のミスって感じだろうか。
二択問題を即決で選んでみたものの、何でそっちを選んだのかを悔いているようだ。
「マ、マスターがどうしてもって言うなら、食べてあげてもいいのよ?」
とんでもない震え声だった。
普段の流麗な声音など見る影もない。
「いやいや、無理すんなって。俺なんかの料理じゃおまえを満足させてやれないみたいだしな。あ、それなら500円やるから、コンビニで何か買って食べるといい」
「くっ…………」
サーヴァントに対する労いとしては安すぎるような気もするが、何も無いよりはコンビニ弁当でもあったほうがマシか。
スーパーの半額セールを狙えば、お茶もセットで買えるぜ。
「……サーヴァントのコンディションを整えるのもマスターの役目
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