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Fate/stay night -the last fencer-
第二部
聖杯戦争、始動
早すぎる終わり ─前哨戦─
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ろう。

 だがいくら鉄杭を繰り出したところでフェンサーには届かない。
 剣の間合いなら有利なのは言うまでもなく、飛び来る牙も振るわれる爪も悉く斬って捨てる程度。

 こんな脆弱な攻撃手段が彼女の主力ではあるまい。

 基本能力値で劣るサーヴァントは、その技能や宝具で自身を補うのが普通だ。
 クラスとしてもライダーは平均的な能力値に騎乗スキル、強力な宝具を備えるサーヴァント。

 最も警戒すべきはそういった特殊能力であり、通常戦闘においてライダー自身に脅威は薄い。

Stein Degen(突き刺せ)──」

 一工程一小節と共に、先端を鋭利に尖らせた石柱が無数に突き出る。

 肉食獣の牙が咬み合わさるように、ライダーを噛み砕くように石柱が現れる。
 だが何でもないことのようにライダーは頓着せず、石柱は彼女に触れた先から消滅していく。

「ちぇ、対魔力ってホント面倒くさい……キャスタークラスの不遇さが解るなぁ」

 ほとんどのクラスは、対魔力という固有能力(クラススキル)を備えている。

 主な攻撃方法が魔術に依らざるを得ないキャスターでは、まず打倒する為の手段が乏しい。
 故に戦闘に魔術を用いるフェンサーにとっても、対魔力持ちのサーヴァントを相手取るのは厄介だということだろう。

 フェンサーの戦い方は、どちらかと言えばオーソドックスなタイプだ。

 ゲームなどでいう魔法戦士……この場合は魔術戦士か。
 見たところ剣術はセイバーには劣るし、多分魔術もキャスターには劣るはず。
 それが本職(クラス)で呼び出されたサーヴァントには敵うべくもないが、それを補い合うために両方を扱う。

 明確な強みを持たないが、戦術が幅広く相手との相性差に左右されないことは優位な点だ。

「シッ……ふっ!」
「っ…………!」
「何やってんだよライダー、さっさと殺せよ!」

 戦況は先程から膠着状態だ。

 幾度となくライダーは攻撃を繰り出しているが、それだけでフェンサーに届くことはない。
 フェンサーも不用意に攻めるつもりはないのか、無理はせず堅実に守りの態勢に入っている。

 というより、慎二の頭の悪さの方が恐ろしい。

 殺せ殺せと喚いているが、自分が何かをしようと動く気配はない。
 生き残るだけで戦意はないというのは嘘だったが、魔術回路がないというのは本当らしい。

 何も出来ないなら出来ないで動きようはあるだろうに、眺めながら文句を垂れ流すだけ。

 テレビを観戦してるか、ゲームでもやってる気分でいるのか?

(フェンサー)
(なぁに?)
(俺も動く。合わせるなら準備しとけ)
(了解)

 ここまでライダーの能力と宝具を警戒して様子見をしていたがもう止
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