第四十一話 義を貫く
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だが、この公式会見によって意味合いが大きく変わった。早い話がこちらが先に断ったということでこちらを悪役に仕立て上げたのだ。ロゴスとの対話の場を取り付けたにも関わらず相変わらず世間の敵だとなおも断じて対話の道すら拒むと言うのか?と言った風に。
勿論、ロゴスが敵だという世間の認識はそうそう変わらない。だが、両者に共にそれぞれの義があるということを見せつけられたのだ。こちらの士気は下がり、向こうの士気は上がる事だろう。それだけで済むならともかく、これによって世界中の人々が判断に迷う事となる。
「どちらにしてもロゴスを捕らえるためには動かなくてはならない。だが、動けば世論は判断がつかなくなる……」
世論を味方につけたからこそ、デュランダルの行いは支持されているのだ。だが、ここでロゴスという悪を討つ事に正当性を見出されなくなれば、後のデスティニープランを含めて支障がきたされることになる。
「だが、詰めが甘いな。それが若さゆえの過ちなのだよ。こういった事態に備えて二手三手先を読んでいないとでも思っていたか?」
デュランダルは立ち上がり、こちらも演説を行うと言いのける。本当はロゴスを斃したのちのデスティニープランの際に使う切札であったのだが、止む得ないと判断し札を切ることを選んだ。
◇
「まさか、あんな手段で切り抜けようとはな……」
「良い息子さんだ。将来が楽しみではないか?」
ロゴスの二人ですら舌を巻くような短時間での有効な策に彼の父であるウナトを褒め称える。
「いえ、まさか私としても息子があれほど成長しているとは思ってもおらず……」
冷や汗をかきながらウナトは対応する。まさかあんな博打とも言えるような方法で切り抜けるとは思わなかった。国民は混乱こそするだろうが、信用は失われずにすんだ。そして、ザフトに対してこちらも対等の義を得ることとなった。
無論、穴も多く存在する上に、成功しきるとも限らないが、上策であることには違いなかった。そう思っていると突然、ザフトのデュランダル議長が放送に入り込む。
『皆さん、以前の放送で見知っていることでしょうが、私はプラント評議会議長のギルバート・デュランダルです。先程、多くの方々が今のオーブ代表首長代理の言葉を聞いた事でしょう。私も彼の言葉を聞き、一部ではあるものの彼の意見に賛同することがありました』
突然の登場に三人は驚愕する。まさか、これほど早く行動に移してくるとは誰もが思っていなかった。ウナトは冷や汗を更にかきながらサングラスを落としてしまい、アズラエルは紅茶のティーカップをから紅茶を零し、ジブリールは膝にのっていたノルウェージャンフォレストキャットが思わず逃げ出すほど怒りの形相をする。
『確かに、彼らの意見も尤もです。私自身、彼ら
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