第四十一話 義を貫く
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ですら訝しげな目線で問いかける。
「正直な所、あなた方が入国したことをザフトは既に知っているでしょう。これ程の部隊です。気が付かない方が可笑しい。仮に囮だと勘違いしたとしても攻撃を仕掛けてくることは確実でしょう」
「その件に関しては私も心苦しく思っている。しかしだ、だからと言って我々を庇わないという気ではないだろうな?」
公式会見でそのような発言をする、つまり自分たちを差し出す気ではないかと警戒する。護衛のNダガーNにはいつでも行動を起こせるように命じた。
「い、いえ、決してそのようなことをするつもりはありません。私達オーブのもう一つの顔を利用するのです」
「もう一つの顔だと?」
「オーブの中立の理念です。それを利用して、我々はあなた方に支援していきたいと思っています」
◇
ロゴスの引き渡し要求をザフトはオーブに対して行う。既にザフト軍、反ロゴス連合軍はオーブへと向かっており、回答までの期間を宣告される。そんな中でオーブ本国は慌ただしく動いていく。
『皆さん、聞いてください。私はオーブ代表首長代理ユウナ・ロマ・セイランです。既にご存知の方もいらっしゃるでしょうが我々はザフトにある警告を突き付けられました。ロゴスメンバーと言われるロード・ジブリールとブルーノ・アズラエルの引き渡しです。皆さんはこう思っているでしょう。我々は本当にあの大悪党であるロゴスを匿っているのかと?そして匿っているならば一刻も早く差し出せと』
オーブ中に、いや世界中に届けられていくこの放送に大勢が目を、耳を傾ける。真偽はどうであれ、オーブにとってはザフトが攻撃を仕掛けてくれば、二年前の二の舞になり、それ以外の世界の人々にとっては世界の敵がどうなるのかが判明するのだから。
『事実をお伝えしましょう。我々はロゴスのメンバーである彼らを匿っています』
その発言に周囲は騒然となる。国に世界的な悪党が存在しているというのだ。落ち着いてなど要られないだろう。
『皆さん、どうか落ち着いてください。私は皆さんに真実を知ってほしいのです。確かにベルリンでのあの悲劇、あれは私にとっても悲痛な出来事だと思います。ですが、だからと言ってロゴスという組織そのものが悪だと、何故そう言えるのでしょうか?』
聞いていた多くの人々が反発する。何を言っているのだと。人を虐殺するような行為をしているのだぞと。
『私は経済関係が専門の政治家です。そして、だからこそ知っています。戦争を行う事があらゆる形で利益となっていることも。それはごく当たり前のことに過ぎないという事もです。プラントも、連合のあらゆる国の企業も、我々オーブですら戦争を利益にしています―――経済は非情です。私は経済学を学びそういった出来事が存在していると知るた
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