第四十一話 義を貫く
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「ありがたいことです。我々を受け入れてくださって。愚盲な輩は我々をまるで稀代の大悪党かのように言うのですからね」
「いえいえ、他ならぬジブリール殿の頼みでしたら断るわけにはいきませんとも」
ジブリールとアズラエルは結局最も良いと思われるオーブに来ることにした。勿論、事前の知らせなどせずいきなり入国することになった。先に連絡だけなどを送っていたならオーブの狸爺ともいえるウナトはのらりくらりと躱したことだろう。だが、こうやって直接国に入ってしまえば断る余地などないのだ。
「父上……」
ユウナが小声で話しかける。その目は確実にジブリール達を匿うべきではないということを言っていた。
「仕方ないのだ―――今の我々では彼を庇わざる得ないのだ……奴がどれほど危険な男かはお前も知っておろう。国への入国を許した時点で我々に取る手段はこれしかない」
悲痛に歪めた顔つきをウナトはしながらそう言う。断れば国を焼かれる。受け入れようとも、その内ザフトがオーブを焼き払いに来ることだろう。ジブリールもアズラエルも周到だった。自身の信頼できる部隊を用意してそれなりの規模の部隊をオーブ周辺にかき集めてきたのだ。それも一部の飛行可能なものなどはミラージュコロイドを搭載し、潜んでいたりした。既に断れる状況ではない。更には核で攻撃することも出来ると仄めかされた。
これらの戦力はオーブへの協力を行う為などとジブリールやアズラエルは口々に言っているが、要はこちらを脅すための戦力なのだ。既に懐に入り込んだこれら総てが。潜水艦でやってきた彼らを守るために会談の際に護衛のMS一機であると言われたNダガーNなどが最たる例だ。抵抗すればミラージュコロイド搭載機であり、核動力のこの機体が黙っていないと。爆発など起きれば今後数十年は人の住めない国になるのは確実だろう。
勿論、ザフトもロゴスが隠密行動を取っているとはいえ、そのロゴスの大規模な部隊の移動に気が付いているはずだ。もうすでにオーブに来ているということをデュランダル議長は知っているかもしれない。
「私としてもこのような手段は取りたくなったのだがね。何せ世間はロゴスが敵だと言う始末だ。町に買い物に行くのにも一苦労だと考えると万が一ということもあるのでね」
アズラエルもそう言いながらオーブに無理矢理協力を取り付けたかのようなことをして申し訳ないと悪びれもせずにそういう。本気でその気があるなら国に来て欲しくはなかったとユウナは思うが口には出来ない。
「分かりました。オーブはあなた方を受け入れましょう。ですが、会見でザフトに対してあなた方の存在を容認しているという発言をさせてもらっても?」
「何を言う?そのようなことをすれば喜々として奴らにこの国に立ち入らせる事になるぞ!」
意図が読めないとウナト
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