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魔法少女リリカルなのは平凡な日常を望む転生者 STS編
第31話 ホテルアグスタ
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「ふぅ………」

外はすっかり暗くなり、星が見えるようになっていた。

「今のところ問題無しか………」

入り口から見えるスターズの部隊にも特に動きはない。

「このまま何事もなければ良いんだがな………」

そんなことを思いながら煙を吐く。

「バルトさん」
「ユーノか?お前準備に行かなくて良いのか?」
「あっ、はい行かなくちゃいけないんですけど、その前にバルトさんと2人で少し話したくて………」

そう言ってバルトの隣に座るユーノ。

「吸うか?」
「良いです。………バルトさん、なのはの事どう思ってますか?」

ユーノの質問は率直だった。
士郎された時と同じ質問。

「恋愛のような感情は無い。………だがなのはとヴィヴィオがいない生活も考えられない」

あの時と簡潔だが同じ様にそう答えた。

「あなたにとってなのはは何ですか?ただのヴィヴィオちゃんのお世話係ですか?」
「お世話係か………確かに最初こそそう思っていた。だがなのはとヴィヴィオは俺の今までの人生の価値観を変えた。変えるきっかけを作ってくれたのが俺のライバル、そしてそいつの相棒。分からねえ………俺はまだ混乱しているのかもしれないな………」
「どう言うことです?」
「俺にも良く分からん。俺にとっても初めての事だからな。あの時から人との関わりを断って来たからな………だからこそ今を守るためにケリをつけなきゃならねえ………」
「ケリ?………もしかしてあの何処かの地図が関係しているのですか?」
「気づいてたか」
「恐らくなのはも」
「そうか………」

そう言ってタバコを自分の携帯吸い殻入れに入れるバルト。

「なあユーノ、お前なのはの事好きだよな?」

不意にそんなことを言われ、驚くユーノ。

「………はい」

しかしバルトの正面を向いてしっかりとそう答えた。

「でも僕じゃ駄目なんです。あの頃の………最初にあったときのような無垢な笑顔を見せることは無くなりました」
「そうか?今日だってお前と会えて嬉しそうだったが………?」
「いえ、子供の時からの付き合いですから分かります。なのはが本当の笑顔を見せるのはバルトさんとヴィヴィオちゃんだけです。なのはにはバルトさんとヴィヴィオちゃんが必要なんです。だから………」

「逃げないでくださいね………」

そう言ってユーノは入り口の方へと向かっていった。

「逃げるな、か………」

逃げているわけではない。全てを終わらせるため、自分の過去を清算するため、バルトは覚悟を決めた。

「いや、確かに逃げなのかもな………」

そう正当化しているが、本当の事を話す事が出来ず、話さないまま行くとなると確かにユーノの言う通り逃げてる事になるのかも
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