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銀河英雄伝説〜悪夢編
第十六話 たまには無力感を感じてくれないかな
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様な表情をしていた。もう限界だな。

戦術コンピューターを見ると艦隊は徐々にだが集結しつつあった。流石に諦めたか、世話を焼かせる連中だ。参謀達を見た
「混乱を起こしたくありません。陸戦隊を用意してください」
「はっ」
アルトリンゲンが答えた。他の連中は顔を見合わせているが驚いている様子はない。必要だと思っているのだろう。

「それと全員ブラスターの携帯を命じます」
「……」
「どうしました、用意しないのですか」
「直ぐ用意します」
何人かが慌てた様子で席を立った。他の奴は携帯しているのだろう。俺とヴァレリーは常に携帯している。俺を嫌っている奴は結構多いしヴァレリーは女だからな。携帯した方が安全だ。

「オペレーター、クライスト、ヴァルテンベルクの両名にブリュンヒルトへの出頭を命じなさい」
「は、はい」
俺がクライスト、ヴァルテンベルクを呼び捨てにした事、そして来艦では無く出頭と言った事に気付いたようだ、オペレーターは蒼白になっている。ところであの二人、生きているよな? 殺されたとか自殺したとか無いよな?

「直率艦隊に命令、クライスト、ヴァルテンベルク両艦隊には不審有り。別命あるまで警戒態勢を取れ」
「は、はい」
今度はオペレーターだけじゃない、参謀連中も顔を強張らせた。場合によってはここで帝国軍同士で戦闘が始まる、そう思ったかもしれないな。まあそんな事にはならないだろうとは俺も思う。だが帝国というところは有り得ない事が頻繁に起きるのだ、油断はしない方が良いだろう……。


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