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IS 〜インフィニット・ストラトス〜 日常を奪い去られた少年
第09話
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普通とは一体なんなのだろう。

俺は、たかが十六年の人生を振り返る。普通の小学校に入学して、普通の中学校に入学して、IS学園に至る。最後がいきなり普通じゃなくなっているが、もしかしたら小学校から普通じゃなかったのかもしれない。

友達も個性豊かな奴らばかりだった気がする。それでも、楽しかった。

友達には色々いた。いい意味でも悪い意味でも。

親が離婚と再婚を繰り返して、情緒不安定になり性同一性障害になったやつ。再婚して本当の親じゃない母方に構ってもらえない奴。育児放棄といっても過言でもないかもしれない。肺が片方しかなくて、過度な運動ができない奴。腎臓が弱くて、一定時間ごとに薬を飲まないといけない奴。友達ではないけど、親戚には人工透析をしないと死んでしまう人がいた。

そいつらは確かに普通ではない。でも、それがハンデとかそういうわけでもなく楽しく過ごしていた。

性同一性障害の奴は、何回目かに生みの親と再婚した。それが何度目の再婚は分からなかったが、とても嬉しそうだった。俺の親が『やっぱりお母さんと一緒で嬉しい?』と聞くと『……うん』と言った。糞ババアとか言いながら、やっぱり嬉しいみたいだ。当たり前だが。今では、コンビニでバイトもしている。

親に構ってもらえない奴は、ここ最近バイトを始めたみたいで親と会う時間が減った。だけど、親と話す時間は増えたと言っていた。

肺が片方しかない奴は、家業を継ぐために農業高校に行って、必死に勉強している。大変だとメールは来るが、反面楽しいというメールも多い。

腎臓が弱い奴は、普段の生活に制限はあるものの、世間一般で言う普通の生活をしている。確かに、大変だけど毎日が楽しいみたいだ。

親戚の人工透析をしなければならない人は、家庭を持っていて、俺と同い年の息子もいる。

俺自身、出生の時に5時間くらい掛かり、ほぼ死んだ状態で出てきたみたいだ。その後、医者が必死に産声を上げさえようとしいてくれて、息を吹き返した。その後も、体が弱くて40度近い熱も何度も出した。けど、今では体が丈夫になった。類は友をよぶとはこのことか、と思ったこともある。

世間では普通でないとかわいそうだ、と言うがそれはあくまで他人からの意見であって、本人たちにとってみれば、それが当たり前なのだ。他人からどうこう言われる筋合いはない。かわいそうだとか大変だね、という言葉はこう言った普通じゃない人たちを侮辱しているようなものだ。

普通とは一体何なのだろう。自分でも良く分からないが、自分にとってそれが普通ならそれでいいんじゃないのだろうか。他人の価値観とかを無理に押し付けられても迷惑なだけで、誰も得をしない。

価値観というのは自分の中だけで成立するものだと、俺は思う。

俺の人生とか周りの奴の人生は普
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